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内装工事 〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

間が空いてしまいましたが、建物を作る構成要素にもどります。

構造、外装ときて、今回は内装を解説します。

内装材は様々な選択肢があり、しかも人が触れる場所でもあります。

それぞれの違いについてお話します。

床材

内装材は人が触れるところと紹介しました。

特に床は靴を脱ぐ日本人にとっては、寝転がったりする西洋に比べて特別な場所です。

日本人史上、最大の建築での発明は畳であるといえます。

畳の良さは通気性や暖かさにあります。

しかし、座の文化から、ソファなどの西洋の文化に変化し、

畳も居場所をなくしています。

そして、フローリングもメンテナンスのしやすさという観点で、 

ワックス不要などの理由で、木目シートの貼った新建材が増えてきました。

ちょっと材料の特性を見てみましょう。

上記写真左は針葉樹、右は広葉樹になります。

杉や檜に代表される針葉樹は真っ直ぐに早く育ちます。

そのため、断面構造がシンプルで、空隙が多く触り心地が暖かく感じます。

畳の材料のい草も空隙の多い素材です。

ですが、空隙が多いので、傷が付きやすく、飲み物をこぼしたりすると

シミになったりします。

一方広葉樹は育つのが遅く、曲がったりを繰り返すので、

断面構造が複雑で、針葉樹に比べ、硬く傷もつきにくい形になります。

海風の家では広島県産の杉材を使っています。

節が目立ちますが、柔らかな表情をつくり、

傷も良い味わいになると感じます。

皆賀の家では楢のフローリングです。

傷がつきにくく、温かみも感じれます。

最近の傷がつかないフロアコーティングは7H〜9Hの硬さがあるそうです。

9Hはスマホのガラスフィルム同等です。

確かに傷がつかないことは魅力かもしれませんが、

スマホの上に寝転びたいとは思えません。。

床へ何を求めるかは考えないといけないですね。

壁・天井材

床同様、壁や天井にもできるだけ質感を感じれるものを採用したいと考えています。

もちろん、水回りなどにはビニルクロスはつかいますが、リビングなどでは漆喰や紙布クロスを採用しています。

やはり、畳の間は魅力的です。この壁は紙布クロスです。

もちろん、予算が無尽蔵にあることはないため、

建材もつかいます。

海風の家では外壁の耐力壁を内部の化粧材として採用したり、

天井にシナ合板をつかっています。

一般的に壁や天井の仕上げは大工が石膏ボードをはり、

その上にクロス屋や左官屋が仕上げるため、職種が2つ入ります。

よって、杉板などもグレードによっては、石膏ボードよりは高価であっても、

大工が貼れば終わりのほうが安くなることもあります。

最近では建主が内装仕上げに参加することも増えてきています。

漆喰塗りなどは一生の思い出になると思います。

ただ、職人が職人たる所以は素人より圧倒的な手際と熟練された技術で

仕事をすることですので、工期や施工期間には余裕を持つことが重要です。

結構な重労働です。

長く使える素材を

畳を例に上げましたが、畳は表替えなど、長く使える日本人の知恵です。

無垢のフローリングは傷は付きますが、傷から覗かされるのも無垢の木です。

9Hのフロアコーティングは化石燃料を原料としているので、

紫外線などを受けると、いつかは剥がれます。

新築の状態を永久的に保つのではなく、

背くらべの柱の傷のように、その傷を懐かしく思える素材を使いましょう。