家づくりの正解が
わからなくなったら
構造のこと、断熱のこと、補助金のこと。私よりも新しい制度をご存じの方もいます。ただ、そういう方ほど、ある時期にこうおっしゃる。「調べて、調べて、調べ尽くして、気づいたら何が正解かわからなくなりました」——結論から言うと、家づくりに万人共通の正解はありません。
広島の一級建築士事務所
窓から入る熱は、心地よさをつくってくれる。
窓から入る景色は、日々の暮らしを豊かにしてくれる。
性能は、その土台です。
私たちが届けたいのは、その先にある暮らしです。
国が定める最低基準は断熱等級4。私たちはその上を標準にしています。できて当たり前、が出発点です。
その先の暮らし
同じ断熱等級の家でも、暮らしの豊かさはまるで違います。窓をどこに、どの大きさで開けるか。朝の光がどこに落ち、夕方どこが陰るか。数字には出ないところに、毎日の心地よさが宿ります。
窓は熱の出入り口であると同時に、風景の額縁です。何を切り取るかで、部屋の性格が決まります。
高い天井の上のほうから入る光は、部屋の奥まで届きます。明るさは、照明の数だけで決まりません。
夏の日射をさえぎる軒や庇、落葉樹。涼しくするための工夫は、たいてい目にも心地よいものです。
環境ゲストハウス「島韻」の矩計図(縮尺1/50)。右が東です。
東の窓は、朝の低い日射が入るので、ふつうは小さくします。ここでは逆に、
景色のいい東へ大きく開きました。そのぶん、屋根のかたちを変えています。
重ねた2本が、その答えです。
夏至(44.8°)── いちばん暑い時期。太陽が真東に来たとき、すでに45度上がっています。
だから軒が切ります。この線は、壁の床上29cmまでしか届きません。
春分・秋分(0°)── 日の出が真東ちょうど、高度0度。
軒では切れず、部屋の奥まで入ります。光がほしい季節に、ちゃんと入る。
角度は広島市中区(北緯34.39度)で計算したものです。太陽が真東に来たときの高度で、
南面でいう南中高度とは別の値です。冬至は太陽が真東より29度南から昇るため、この断面には現れません。
図面はそのまま載せています。線を減らしたり、きれいに描き直したりはしていません。
Four Design
住まいをつくるとき、私たちは四つの側面から同時に考えます。どれかひとつを優先して、ほかを犠牲にしないためです。
01
資金計画から設計を始めます。借りられる額ではなく、返せる額から。建てたあとの暮らしに、お金を残すためです。
02
太陽と風を読みます。窓の位置、軒の出、断熱と気密。機械に頼りすぎずに、夏は涼しく、冬はあたたかく。
03
飽きのこない簡素なかたち。年を経るほど味になる自然素材を選びます。流行に乗ると、次の世代が住み続けてくれません。
04
長く住み継げる耐久性と、直しやすさ。あとから手を入れられるかどうかを、最初の設計に織り込みます。
四つは並列ではありません。お金の話から始めて、性能を決め、かたちを選び、その先の何十年を考える。この順で進みます。
未来に渡せる住まい
いちばん近い次世代は、お子さんです。大人になったとき、この家に住み続けたいと思うか。建て替えずに手を入れて使いたいと思うか。
住み継がれない家は、どんなに省エネでも、いずれ壊されます。壊せば、そこまでに使ったエネルギーも一緒に捨てることになる。だから私たちは、性能と同じ重さで「住み続けたいと思えるか」を設計します。
環境ゲストハウス「島韻」(江田島)。夏の夜、冬の朝。カタログではわからないことは、泊まってみるのがいちばん早い。
費用のこと
設計料の分だけ高くなる、とよく言われます。けれど土地・建物・諸費用・そのあとの光熱費まで含めた総額で見ると、話は変わります。数字は、全部公開しています。
含むもの・含まないもの、進め方の10段階、よくある質問も、費用と流れのページにまとめています。
実例
海に向かって開いた居間。窓の高さは、座ったときの目線で決めた。
海を見下ろす敷地に、板張りの切妻を静かに置いた。Ua値0.28、ZEH率135%。
土間から板の間へ。Ua値1.25(等級2)だった家を、0.31(等級6)まで上げた。
設計する人
株式会社プレゼントデザイン 代表取締役。設計から現場の監理まで、私が担当します。
神戸で現場監督から始め、工務店で技術設計と省エネの仕事を経て、2013年に独立しました。建築家 横内敏人氏・堀部安嗣氏に師事。2025年には江田島に環境ゲストハウス「島韻」を開き、設計から運営まで自分たちで行っています。
経歴と事務所のことをすべて見る / なぜこの仕事を選んだのかは わたしたちがめざすこと に書いています。
ほぼ日刊
メルマガ「ほぼ日刊」は2,000通を超えました。断熱のこと、お金のこと、間取りのこと。読んでから来ていただけると、最初の打ち合わせから話が早い——それが、ほぼ毎日書いている理由です。売り込みはしません。
ブログには、そのなかから読みやすいものを選んで載せています。まずは読んでみてください。
いつでも解除できます。住所や電話番号は伺いません。
構造のこと、断熱のこと、補助金のこと。私よりも新しい制度をご存じの方もいます。ただ、そういう方ほど、ある時期にこうおっしゃる。「調べて、調べて、調べ尽くして、気づいたら何が正解かわからなくなりました」——結論から言うと、家づくりに万人共通の正解はありません。
はじめの一歩
土地探しの前でも、予算が固まっていなくても大丈夫です。最初の相談は無料です。売り込みはしません。合わないと感じたら、そう言ってください。
お引き渡しのあとも、半年に一度ほどお伺いして、夏・冬の住まい方とメンテナンスをご相談しています。
建てて終わりにしないのが、住み継げる家をつくる条件だと思っています。