Building

最近では木造は戸建住宅だけではなく、
オフィス、幼稚園、病院、福祉施設などで数多く採用されています。
3階建てまでの規模であれば、大手ゼネコンではなく、
地域の工務店や、地元の大工さんで作ることが可能です。
そうした地域で作った建物はコミュニティとして繋がりが生まれます。

また、最近では環境経営という考え方が大きな流れになっています。
事業者は利益を出すことだけではなく、環境にどう貢献できるかも
社会的に求められています。

しかし、残念ながら住宅では当たり前になってきている
ペアガラスなどもオフィスでは未だにシングルガラスが主流です。
また、事業所の設計を行う実務者が省エネ設計の知識が乏しいのも現状です。

省エネ性というのは冷暖房費にそのまま直結します。
事業者は意外に知らない方も多いですが、
事務所衛生基準規則という法律に
「働く場所は17℃以上28℃以下、湿度は40%以上70%以下になるように務めること」
と書かれています。
つまり働く人の健康を守ることも、事業者の仕事あるということです。

ましてや病院や老人ホームなどは健康を取り戻したり、維持する場所であるため、
24時間365日ずっと冷暖房をかけないといけません。
福祉施設では光熱費を含めて、入所費を決めているケースが多いので、
健全な経営を行うためにも、適切な省エネ設計の考え方は重要になります。
また、クールビズやウォームビズといった省エネ手法が、
使われていますが、室温によって学習効率が変わるというデータもあります。
いくら大人が子供より我慢強いといっても、限界があります。 断熱設計を
行うことにより、我慢せず省エネルギーで、
適切な労働空間を作ることが可能になります。
具体的な事業所の省エネ設計の手法は以下になります。

1.太陽の熱や光を利用
2.建物の外皮性能(断熱材・窓)の強化
3.コンパクトな設備の設置

窓から入る太陽の熱や光は、無料のエネルギーです。
老人ホームや入院病棟では明るい暖かい部屋で過ごすことは、健康を取り戻す近道ですし、
オフィスで働く人にとっても同様の効果が生まれます。
夏は日差しは冷房エネルギー増加につながりますので、
外付けブラインドなどは有効な方法です。断熱材が薄く、一枚ガラスの窓だったら、
せっかく入ってきた無料の太陽のエネルギーが逃げてしまいますので、
しっかりと断熱性能を上げる必要があります。
こうして、使うエネルギーを小さくすれば、
冷暖房をする機械も小さく、安くなります。
24時間動かす空調機の負荷は激しい為、
高価な業務用のエアコンでも、15年で交換が必要になりますが、
断熱性能を上げれば、住宅用エアコンでも
十分快適な空間を作ることが可能になります。

もちろん、こうした考え方は既存のオフィスや福祉施設のリフォームにも
使うことができます。
左記は実際にプレゼントデザインで、設計監理した歯科医院兼住宅です。
動力電力が12万円から25万円に、電灯電力が30万円から10万円に
ビフォーアフターで変化しています。

動力は歯科医院でしか使いません。
つまり、患者が倍に増えて、冷暖房などの光熱費が1/3になったことになります。
光熱費は断熱改修の効果ですが、
患者が増えたのは外観の建築的魅力であると考えます。
設計事務所が入ることにより、
街のアイデンティティになるような建物をつくり、

訪れる人が増えます。
2020年3月に高性能幼稚園が完成しましたが、
先生や子どもたちにも大好評です。
暖かく涼しい空間で働いたり学ぶと、先程もご紹介したとおり、
効率が高まります。
それは楽しく快適に働くことになり、結果離職率も低下し、
心から働きたいという場所になります。

現在、環境経営という中で、
SDGsの考え方が大きな影響力を持っています。

SDGsは上記17のゴールの中から、それぞれの事業にあったものを選び、
実践していこうというものです。
ここでご紹介したオフィスや病院、幼稚園などの建物の考え方だけで、
すでに5つのゴールが当てはまります。

SDGsを取り組む事業者に融資をした
金融機関が金融庁から評価されるという
制度も始まっています。

専門家であるプレゼントデザイン代表 川端が、
環境経営のご提案をすることも可能です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.室の高い教育をみんなに
5.ジェンダーの平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.安全で安価なエネルギーをみんなに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまち づくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
ビジネスの成功は大きな利益を生むことだけではなく、
働く人も、学ぶ人も快適で楽しく過ごし、
それが光熱費を抑える経費削減にもつながり、
結果として、持続可能な社会に貢献する、
それがこれからの事業の面白さになっていきます。