Important Thing

わたしにとって、大事なこと

1995年1月17日
私は大学3回生で、朝の4時まで設計課題に取り組んでました。眠りについたのもつかの間、激しい揺れで叩き起こされ、父が必死にタンスを押えていたのを覚えています。
しばらくすると揺れがおさまり、私は再び眠りにつき、数時間後、テレビをつけて、その映像に愕然としました。そして、その半年後、私は就職活動で写真の長田区を歩き、今でも、異常な光景が目に焼き付いています。

16年後、私は衝動に駆られ、仙台から福島をレンタカーで走りました。
震災のあとの神戸で働いた者として、見ておかなければならないと感じました。

「破壊された防波堤」 「打ち上げられた船」
「第一原発につづく道の封鎖」 「迂回路で走った壊れていないのに人のいない家屋」

神戸の震災では遺品を倒れた家屋から探せましたが、それをも許さぬ自然の脅威そして、人間がつくった原発の脅威。阪神大震災後、耐震基準が見直されました。しかし、この津波に対抗できるとは思えません。ですが、自然の脅威には勝てないかもしれませんが、人間が作った脅威に勝たなければなりません。

日本では年々、家庭の消費エネルギーが増え続けています。これには人口の増加や、ライフスタイルの変化など、
様々な要因はありますが、この現実に今、向きあう必要があります。
現在、代替エネルギーの開発が進みつつありますが、同時進行で私たちのできることがあります。
自然のエネルギーを大切にして、使うエネルギーを小さくすること。
それだけで家庭のエネルギーを半分にすることが可能です。

ある建築家が「建築は環境を切り取ることである」と言いました。まさしく、その通りだと思います。日本は自然に恵まれた国です。
古来より日本人は建物の周囲にある、「風・光・熱 そして暮らしの知恵」をうまく使い暮らしてきました。昔にただ戻るのではなく、温故知新、ここちよいという言葉だけでごまかすのではなく「快適性」を科学する、それが今求められてます。