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災害への備え 〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

台風24号が近づいてきています。

50年に一度の大雨が広島では、

4年前と、今年に降り土砂災害を引き起こしました。

確率が正しいのであれば、後100年はこのような大雨が降らないことになりますが、

そんなことを信じる人はいないでしょう。

台風21号が関西から中部を抜け、

工務店の友人が今でも、ボランティアで屋根にブルーシートをかけていますが、

1ヶ月も立たずに、次の台風が向かっています。

新築住宅であれば、こうした災害対策を考えた住まいを作れますが、

既存住宅はそうも行きません。

先日、リフォーム会社から次回特集する記事について、相談を受けました。

まずは、私は皆さんに自分が住んでいる地区の災害危険度を知っていただきたいと思います。

下記は土砂災害マップです。

広島県が調査をして、土砂災害の危険度で、レッドゾーンとイエローゾーンを

決めていて、レッドゾーン内では、鉄筋コンクリート造でしか、事実上建設は難しいです。

そして注目はグレーゾーンで、これから、レッドゾーンに指定する予定で調整中のエリアです。

黄金山もグレーゾーンになっています。

私は今まではイエローゾーンでの計画は、設計上の配慮(基礎を高くするなど)をすることにより、お客様に提案してきましたが、ライフラインが止まることも含めて、お客様と真摯に話合う必要が出てきたと感じます。

こうしたエリアでは井戸の価値も高くなりそうです。

土砂災害ポータルマップ

続いて30年以内に地震が来る可能性を可視化した地図です。

広島は地震から縁遠いと思われがちですが、そうではありません。

下記地図のように広島市北部では地震の可能性が高いなっております。

土砂災害と地震は共通していることは、毎年こういった危険度は増しているということです。

地震がしばらく起きていない意味は地震エネルギーが溜まっていっていることになりますし、

年々増加する雨量で、山が持っているキャパシティも超えていっていると考えられます。

J-SHIS地震予想マップ

加えて、広島はもともとデルタ地帯であるため、

液状化の可能性も無視できません。

住宅規模で、液状化に対応する杭を検討するのはなかなか難しいところがありますが、

想定をしておくことは、自分たちの生活を守ることに繋がります。

地震被害予測

最後に南海トラフ地震も広島も無関係ではありません。

津波の到達度マップです。広島でも最大3mの津波が来ると予測されています。

マンションではともかく、戸建て住宅は大きな被害を受けることになります。

津波予想

 

このように並べると、広島に住むことが嫌になりますね。。苦笑

多くの住宅関係者は、この事実を知らない、または、知っていても伝えていないケースもあります。

私はプロとして、伝える義務があると考えていますので、

ご自宅の災害リスクをお知りになりたいのであれば、調査しますので、

ご相談ください。

知ることがご家族、生活を守ることにつながります。