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PJ80 2019 大阪

今日は家づくりの話ではなく、「持続可能なまちづくり」の話です。
なので、家づくりに興味のある方には関連性がないかもしれないので、(そうでもないのですが、、)読み飛ばしてください。

私は2015年にドイツのフライブルクに行き、最新の高性能住宅を勉強しようと意気込んで行ったのですが、でも1週間いて、住宅のことはほんの少し。

私はできるだけ原発に頼らない社会を実現したいと思い、独立し、高性能住宅のボトムアップに力を注いできましたが、住宅は持続可能な社会実現のためのワンピースでしかないということを痛感しました。

帰国後、フライブルクのヴォーバン地区のような街を日本につくろうとい
クラブヴォーバンで、少しだけではありますが、お手伝いしております。

クラブヴォーバンの詳細はこちら

https://www.club-vauban.net/

昨日は台風が近づく、大阪でクラブヴォーバンのセミナー PJ80(プロジェクト-80)開催しました。
毎回、私も少しお話しするのですが、今回はどうしてもお話を聞きたい人がいたので、代わりにお話ししていただきました。
備忘録のため、話を簡単にご紹介します。

早田さんの挨拶

住宅業界の風雲児と知られる早田さん、今回私同様 スピーカーではないのですが、挨拶で20分くらいミニセミナーをしていました。笑

国連スピーチで有名人とグレタさん、「左派の陰謀」とか、「グリーンピース」に担がれてるなど、ま、いろいろ言う人はいますが、子供の本音の叫びが聞けない大人がいることは悲しい限りです。
早田さんはじめ、真摯に子供たちの声を聴き、私たちにできることを模索し、実践している大人もいることをぜひ、知ってほしいと思います。

そんな、早田さんがインプットばかりするな! アウトプットしないと全然頭に入らないと一喝が入りましたので、久しぶりに重いネタではありますが、このブログを書いています。

村上稔さんの徳島の取り組み

皆さんは2050年までに日本の地域の2/3が、人口が半分になるといわれていることをご存じでしょうか?

村上稔さんはそんな時代の流れが顕著にでている、徳島で「とくし丸」という移動販売のビジネスを行われています。

上記のスライドにもありますが、田舎を残すためのビジネス、田舎で残るためのビジネスを模索、実践されています。

最近、棚田の魅力が再度ブームになっていますが、このような田園風景はそこで暮らす人たちの営みがあるからこそ、保たれるわけです。

村上稔さんが言われていた言葉で衝撃な言葉がありました。
「都会に人送り出すための牧場が田舎の役割になっている」
深く悲しい言葉です。
若者がいなくなった集落に移動スーパーで生鮮食品を届けることをビジネスとし、起業され、販売の個人事業主としての収入は400万円を超えて、若者が田舎に残るための道を作っています。

また、これに加え、インバウンド向けのゲストハウスも新たにはじめられており、四国ではフランス人がお遍路にまわるという、新たな風景が生まれているそうです。

私は建築業界に携わっていますが、村上稔さんの話にはほとんど建築の話はありません。どれだけ高性能住宅を建ててもそこに50年後に町としての価値、若者の仕事がないとコンクリートで作られる、田舎の箱もの公共施設となんら変わらないのです。こうして、他業種の話を聞くのはとても、刺激的です。

井筒耕平さんのバイオマスコンサルからのビジネス展開

2番目のスピーカーはバイオマスコンサルという立場を通して、地域でビジネスを作っていくという面白い人。クラブヴォーバンに関わっていると、こういう変わった魅力のある方と出会います。(るいとも。。)

西粟倉村は建築業界でも結構知られた地域です。いち早くバイオマス事業をおこない。その成功例として、数多くの自治体が見学に行き、その見学もビジネスとして回っています。ま、広島県も視察に行ったのですが、広島のバイオマスは・・・ブログで書くのはやめときます。。

中国エリアの豊富な森林を使い、バイオマス燃料をつくり、それをビジネスにするという事業ですが、今現在は温浴施設もスタートさせています。
今回は温浴施設がテーマでもあります。ただ、やはり断熱性能が弱く、寒いというのが課題という話もありました。

私も一度、福島県の温浴施設を見に行きましたが、補助金をつかって、地熱発電をつくっていて、とても先進的でしたが、旅館施設は一枚ガラスで、廊下には灯油ファンヒーターが設置してあるという感じでした。

私が住宅以外の建築に興味を持っているのはこういうところです。
日本では住宅では24時間冷暖房をかける意識は低いですが、旅館、事務所、病院は人がいるところは24時間冷暖房かけ、しかもそのエネルギーコストは結構大きいのです。耐震診断が特定建築に義務化されたように、温熱診断を特定建築に義務化すべきではと思います。。。ま、国は動かないので、民間からやりたいですね。

村上敦さんの日本の温浴施設の設備の闇

また、結構ブラックな感じでスタートされていました。笑

私は温浴施設の設備あまり理解が深くないのですが、
村上敦さんがドイツのエンジニアと日本の温浴施設を見て回ったそうです。

基本的に大量のお湯を使う温浴施設は、「蓄熱タンク」を設置し、
そこから、お湯を効率につかうため、温度差を利用し、循環設備のエネルギーを最小限にコントロールすることが重要とのことですが、
日本の温浴施設には蓄熱タンクにまず断熱材がない・・・
温度差をコントロールするための計器である温度計がタンクの中央にしかない・・・など、失望しかなかったそうです。

上記の話は建築業の人にわかりやすく話をするなら、
住宅に断熱材を全くつけずに、床暖房で40℃の熱を送り、人の頭あたりは20℃で快適といって、家の裏には給湯器が給湯用と床暖房用と二つあり、
設備設計はスカスカの家なので、安全側をみて、非効率なバカでかい設備を提案しているといった感じでしょうか。

いや、しかし、村上敦さんの知識のストライクゾーンは広すぎです。。。

田中信一郎さんの市民プールの話

行政のスペシャリストの田中さんはプールの話から切り込まれました。

切り口の狙いは縦割り行政のため、学校のプール、市民プールなど地域にたくさんのプールがあることにより、巨額の公費がつぎ込まれているというお話しでした。

確かにこれらのプールを統合して、学校のプールを屋内プールにしていくことは面白いです。私の子供は今年の夏休みは猛暑のため、プール開きがすべて中止されました。温暖化が進む中、高齢者が屋内の温水プールで楽しむだけでなく、子供から大人まで、活用できるプール運営を縦割りではなく、横串しで模索していく必要がありますね。

今回のPJ80では市議会議員の方も参加されていました。こうした情報共有が進むように、やはりこの場は重要であると考えます。

松尾さんの温熱設計から見る温浴施設

おそらく、あまり準備をされずに、会場入りされ、他の登壇者の話を聞きながら、パワポをつくられたのですが、相変わらず、素晴らしい話っぷりです。。

温浴施設、旅館などは部屋があまっているのだから、中部屋しか使わなければいい
障子の2枚貼りで空気層をつくるなど、
簡単にできることから段階的に温熱手法のアプローチを説いていかれました。

最後のディスカッションでは、ビジネス経営している温浴施設 スーパー銭湯を経営している人へのアプローチが必要なのではと、話をされていたので、もし、スーパー銭湯の経営者にお知り合いがいれば、数年で投資回収が可能な設備提案をさせていただきます。

日本の森林運営のパイオニア 長瀬さん

私がお願いして、登壇していただいたのが長瀬さんです。

長瀬さんと村上敦さんは飛騨高山で同郷で、上のスライドには村上敦さんも写っています。
私は昨年、広島の仲間と一緒に飛騨高山にお伺いし、実際の林業を見学させていただきました。
そちらに詳しいことは書いているので、ご覧ください。

おっさんの夏旅

長瀬さんは林業だけでなく、人生の先輩として、尊敬しています。
いつも楽しそうに仕事されるのが恰好いい、憧れの人です。
また、高山に行きたくなりました!

村上敦さんのFFFの話

最後に総括として、村上敦さんがグレタさんの活動により始まった
FFF Friday For Futureについて解説がありました。

先にも書きましたが、グレタさんは誰かの操り人形ととらえるのは自由ですが、彼女たちの話をちゃんと聞くべきです。

現在、海水温の上昇により、数多くの台風が日本に到来し、その勢力も年々大きくなっています。

このままのシナリオでは、「気候エンジニアリング」という手法を使い、
巨額な資金を投入し、大気から二酸化炭素を放出させたり、
わざと火山を噴火させ、火山灰により、太陽光の地表到達を防ぎ、
温暖化を防止しなければならない。
これらの気候エンジニアリングを実施するのは2050年、グレタさんの世代です。

気温が2.0℃を超えると人が住めなく場所が増え、2億人の気候難民が生まれ、
それを各国が受け入れないといけない。
だから、1.5℃なんだと。。

と、以上になりますが、
どうでしょうか、最後まで読んだ方はいるのかな。。汗
そんなツワモノの方は、次のPJ80でお会いしましょう。