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建物エネルギー表示 BELS  〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

4月に依頼を受けていた非住宅のBELS申請が先月終わり、
BELSのPDFが先ほど届きました。

上の二行で意味がわかる一般の人、皆無でしょうね・・・(^_^;)

解説します。

国の長期計画で、省エネルギー計画は大きな要素を占めています。
そんな中で様々な施策があるのですが、今回関係するのは
・地域型グリーン化事業
・建物エネルギー表示制度(BELS)

地域型グリーン化事業は経済対策の一つにもなっていますが、
平たくいうと、地域の工務店がグループを作り、一定レベル以上の
性能を持つ住宅を立てれば、補助金を出す制度です。

昨年から始まった制度ですが、新たに始まったのはそのグリーン化事業の中に
非住宅、つまり住宅ではない木造建築物も補助対象になりました。

しかも、住宅が最大165万円に対し、非住宅は床面積1㎡当たり1万円という大判振る舞い。
加えてエネルギー性能だけを満たせばいいことになっています。

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これがそのBELSの評価書です。
国が始めた基準なので、もちろんやっていかない業務ですが、
残念ながらこれを見て、一般の人が良い建物かどうかがわからないですよね。

実は似たようなエネルギー表示は他業界では大昔からやっています。
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家電量販店で見られたことがあると思います。
これと比べると違いがいくつか見つけられます。
①圧倒的な星の数の差
②お金も表示している

①に関して、建物も星が5つまでありますが、
補助金の対象が星2つ以上なので、2つぎりぎりを狙ってるわけです。
今回はあくまでBELS申請のお手伝いをしただけなので、
温熱設計は私はしていないのが、大変ざんねん。

なぜなら、エネルギーは②のお金に大変関係性があるからです。

たとえば、家電商品が星5つで一年間の電気代が16,700円と書いてます。
この横に星2つの電気代が3万円の商品が仮にあったとします。
そして、星2つの商品の値段は10万円、星5つは15万円
使うのは15年としましょう。
みなさんはどちらを買いますか?

私は絶対星5つの商品を買います。
ましてや非住宅建築物であれば、24時間空調がかかっていたりと
光熱費は住宅に比べると莫大な費用となっています。

そのオーナーが比べるチャンスをなくしているわけです。

ちなみに家電量販店の光熱費表示は義務ではなく、
そのほうがお客さんにわかりやすいから表示しているわけです。

建設業界は不勉強な人が多く、売りやすくするため、
住宅ローンは気にする営業マンはいても、
お客さんが支払う光熱費に興味を持っている営業マンは少ないのが現状です。

最近では情熱をもって仕事をしている建築実務者もいますので、
住宅ローンだけではなく、「光熱費」もライフプランに入れてください。

そして実務者の皆様へ、
BELSの申請の前に、非住宅のエネルギー計算の相談をお待ちしています。