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北国の熱い漢 訪問 〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

今日は北海道、札幌に!

終日氷点下の真冬日に来る私は持っている!

なぜなら、訪問の目的が北方型住宅を学ぶため。

寒いに越したことはない。

本来の目的は明日の講習会なのですが、

無理をお願いして、札幌の山本亜耕設計事務所さんにお邪魔しました。

当初は北海道の住宅事情を少しお伺いできればと思ったのですが、

事務所で2時間半レクチャーをしていただきました。

山本さんの言葉でこころに残ったことを少しご紹介

「断熱は暑さ寒さのためではなく、社会的要求である」

「技術はあくまで道具であり、その道具を使いこなし、設計するのが設計事務所の仕事」

「北海道の断熱材の厚みをそのまま本州でするのではなく、地域の実務者が適切な厚みを研究する」

その他もたくさん教えていただきました。

これだけでも大満足なのですが、

実例も見せてもらいましたー!

まずは澄川の家

こちらはパッシブ換気を採用しています。

外気をアースパイプを通して、床下に導入し、

ガス給湯による配管で温めて、室内に送ります。

ただ、私が訪問した時は、ガス給湯は動いていません。

全く機械音がしない状態で、外気が-10℃なのに、室内が20℃ありました。

これは暖房負荷と内部発熱がつりあっている状態ということです。

内部発熱を有効利用するため、ガス給湯器も室内にあります。

 

現在、温暖地域ではエアコン冷暖房が主流になっていますが、

静寂な快適性です。パッシブ換気の風速は小さいため、

室内に対流も起きていません。

これだけでとても勉強になり、大満足ですが、

なんともう1軒、荒谷邸へ

正月に私が読んだ北海道大の荒谷先生3軒目の自邸です。

 

18時半ころに到着したのですが、出迎えていいただいたのはタギさん。

荒谷先生の最後のお弟子さんとのことです。

この住宅が建設されたのは40年前。

コンクリートブロックと木造の複合建築です。

この家のQ値1.0 。。。40年前に現在の最新住宅を凌駕する性能です。

暖房はバイオマスストーブと煙突の熱のみ。

室温は20℃、コンクリートブロックの表面温度は18.5℃

私の自宅マンションの外壁表面温度は13℃くらいです。

北海道の高性能住宅は40年前に完成していたことになります。

しかも、手製の木製サッシで。

技術を正しく工夫創意することにより、高品質な住まいが実現することを

目の当たりにしました。

現在、様々の情報を手に入れることができましたが、

考える力を失ってはいけないと強く感じます。

技術や知恵は手にしたら終わりではなく、

どう活かし、「楽しい」空間を作れるか、

今からはそんな時代がやってきます。