以前にも書きましたが、
私は現在、大学院生。
大学の課題に取り組んでいますが、
まだ、社会人になっていない学生もいるわけで、
そんな中の次回課題が、伏せ図(梁などの図面)の検討。
普段、構造を専門ではないけれど、仕事としてやっている私にとっては
少し物足りないので、耐震等級3の検討を行いました。
今回の課題ではお店なので、南側に大きな開口があります。
現在、パッシブデザインの名の下に、こう言った設計が増えていますが、
本来、何も考えずにこう言った設計をするとすごい危険です。
本来、在来軸組構造は筋交や構造用面材、つまり壁によって
地震や台風の外力に抵抗していましたが、
阪神淡路大震災以降、床の剛性も高めるようになりました。
ダンボールで例えると蓋を閉めて、しっかりテープで止めることです。
そして話を元に戻すと、開口部が一面だけ多いということは
ダンボールの側面に大きな穴を開けるということです。
そうすると、蓋を閉めていない状態にもどり、普通は弱くなります。
そこで、屋根をものすごく強くします。
基礎は最近はベタ基礎なので、剛性を高く、二階の床も硬い、
屋根は垂木などの材料が入るため、弱くなります。
ここを登り梁にして、垂木を半欠きにし
剛性を高めます。
これにより、地震力、台風力を柱に伝えることが可能になります。
もちろん下屋根も登り梁でつなぎ、地震の力が流れるようにします。
このようにすると、南側に大きな開口をつくっても、耐震等級3が可能になります。
住宅業界は簡単に参入しやすいので、
多くの方が住宅業界で仕事をしています。
そんな中、お客様に選んでいただくため、
差別化のため、省エネや、構造、どれかだけに特化している会社が多く見受けられます。
本来、建築はバランスを考えながら、計画をすすめていくべきです。
家を建てる時、省エネに強い会社が、お客さまに
「他の会社に行く時に、Q値はいくらか聞いてください」とよく言っていますが、
その会社に耐震等級がどれくらいかぜひ、聞いてみて下さい。
最近のコメント