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欠陥住宅にしないための建築士が行う10の監理ポイント

打ち合わせでたくさんの時間を費やし、

そしてこだわって、決して安くない住宅ローンの契約書に

たくさん署名をして、印鑑を押して

ようやくはじまったマイホームの工事。

 

これが欠陥住宅になってしまうと、

悲しいどころの話ではなくなります!!

 

そうならないためにも、

延べ100件を超える住宅を検査してきた

一級建築士の川端が、

現場監理の10のポイントをお伝えします。

 

家が完成してから後悔しないように

確実にチェックしましょう。

 

欠陥住宅にしない現場監理① 地縄張り

工事がはじまる前には地鎮祭が行われます。

(最近されない方も多いですが、なかなかよいものです)

 

このように神事で、さあはじまるぞ!

という気持ちになりますが、

現場監理もすでにスタートします。

 

 

上記の写真のなかで、青い線がありますが、

これは地縄と呼ばれるもので、

建物の壁の芯をロープで張っています。

 

これが図面通りなのかをチェックするのが、

現場監理の第一歩です。

 

この時点で配置(隣地との距離)を変えれる??

と期待する方もいらっしゃるかもしれませんが。

 

すでに確認申請が降りている場合は

計画変更が必要になり、

その場合、もちろん費用が発生しますので、

注意が必要です。

 

そもそも配置が図面と違うことがあるのかとの疑問になりますよね。

実は時々あります。

 

原因としては以下のものがあります。

・単純なミス

・図面と現地の相違

 

単純なミスは人間がやることなので、

起こりえます。

そのための違う目でのチェックが大切です。

 

図面と現地の相違ですが、

古い敷地の場合、測量図と現地があっていないことが

たまにあります。

この場合は現地で協議が必要になります。

 

建物の配置は単純な隣地との距離の問題だけではなく、

高さ制限の計算など、複雑に絡んでします。

 

建築確認の中間検査は

上棟後に行われますので、

そこで、図面と相違していることにより、

建築基準法を満たしていない場合、

 

最悪の場合、解体して作り直すことも必要になるので、

地縄のチェックはとても大切です。

 

欠陥住宅にしない現場監理② 地盤改良工事

地盤調査の結果、地盤が軟弱で地盤改良が必要になることがあります。

費用がかけて、地盤改良をするわけですから、

しっかりとした施工になっているか、もちろん現場監理が大切になります。

 

杭は地面の中にある柱ととらえていただいて、

問題ありません。

 

柱が斜めに入っていると建物を適切にささえることができませんので、

垂直にきちんと杭が打てているか、

水平器などをあてて、確認します。

もちろん、見積・設計通りの杭が入っているか確認することも

現場監理の仕事の一つです。

 

 

地盤改良工事は1日から2日かけて施工されます。

さすがにまる二日間ついていることはなかなかできません。

 

地盤改良工事はかならず、施工報告書という書類が

施工者からでてきますので、それもチェックすることにより、

全体の工事が問題がなかったか確認することも可能です。

 

欠陥住宅にしない現場監理③ 基礎工事

基礎は文字通り、建物を支える大事な部分です。

 

ここがきちんと施工されていないと、

地震や台風時に設計通りに強さがでません。

 

図面通りに施工されているか、

鉄筋の太さ、感覚をチェックしていきます。

 

一般の人でもわかりやすいのは、

鉄筋のかぶり厚さです。

 

鉄筋は水に触れると錆びてしまいます。

コンクリートはアルカリ性のため、鉄筋の錆を防いでくれるという

相性のよい材料です。

鉄筋からコンクリート表面までの距離を「かぶり厚さ」といいます。

 

かぶり厚さは

土の触れる部分で60mm以上必要とされています。

 

60mmを切ると、土からの水分により、

鉄筋が錆びるリスクが増えます。

 

とても重要な部分ですので、

現場にスケールを持っていきましょう。

 

現場監督には嫌がられるかもしれませんが。。笑

基礎配筋はその他のチェックポイントもあります。

継ぎ手長さ、開口補強などなど、

専門的な話になってしまうので、

マニアの方向けに、別の機会でご紹介いたします。

 

 

基礎のコンクリート打設後もチェックが必要です。

コンクリートが隙間なく施工されているかは、

前述のかぶり厚さ同様、

基礎の耐久性に大きく影響されるので、

きちんとチェックしましょう。

 

欠陥住宅にしない現場監理④ 構造躯体

続いては、建物の根幹 構造躯体(こうぞうくたい)の現場監理のチェックポイントを

確認していきましょう。

 

まずは屋根の下地材である垂木と構造躯体を固定する金物

上記はハリケンタイと言われる金物ですが、

強風時に屋根が建物から剥がれるのを防いでくれます。

 

あまり深く考えていない会社は釘だけで止めていたりしますが

最近の災害の多さを考えれば、丁寧に施工することが求められます。

 

ハリケンタイの他に、ビスで固定する方法もあります。

 

 

木造には限らず、ほとんどの建物には継ぎ手と言われるジョイントがあります。

地震や台風時には横から力がかかりますので、

この継ぎ手が外れてしまうと、建物が倒壊してしまいます。

 

この継ぎ手を補強するのが継ぎ手金物です。

継ぎ手金物は上棟時の忙しいときに取り付けるので、

時々、締め付けが甘い金物もあります。

 

上棟後でも大丈夫なので、緩みがないか確認することが大事です。

その他にもカスガイや柱脚柱頭金物もありますが、

これも図面通り適切に施工されているか、確認することが

現場監理の業務の一つになります。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑤ 耐力壁・床合板

耐力壁とは地震、台風時の水平力に耐えるために施工される構造部材です。

一昔前は釘一本で止まっていたのですが、

地震時に筋交いが外れ、建物が倒壊することが起き、

現在では金物で、柱や梁と留め付けることになっています。

 

金物と筋交いに隙間がないかしっかりと確認しましょう。

 

プレゼントデザインでは外周部は気密を高めるため、

耐力面材という板状の材料を張ります。

 

構造用合板などが耐力面材の種類の一つですが、

それぞれ必要な耐震性を保つため、

釘の種類とピッチ(間隔)が決められています。

 

2.5倍の耐力壁の場合、N50 の釘を150mmピッチで

打つことになっていますが、

耐力壁の強さや種類により、

釘の種類やピッチが変わりますので、

図面の内容を大工が理解して施工しているか

確認が必要です。

 

ちなみに2階の床にも構造用合板を張って、

耐震性を高める剛床工法が現在主流になっています。

壁の場合と同様に、釘の種類とピッチが決められていますので、

確認してください。

 

補足ですが、

釘は間隔も大切ですが、

施工の仕方も大切です。

 

床の構造用合板は上棟時に施工されますが、

鉄砲といわれる圧縮した空気で釘を打ち込みます。

 

スピードを重視すると、

釘がめり込み過ぎてしまい、

合板の半分以上釘は入ってしまいます。

 

この場合必要な耐震性が保てなくなりますので、

鉄砲の圧力を弱くして、金槌で打ち込むのが

適切な施工方法になります。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑥ 屋根・防水工事

 

屋根やバルコニーは住まいを雨漏りから守る重要な部分です。

大切なのは下地です。

 

屋根の場合は瓦やガルバリウム鋼板の下に

アスファルトルーフィングと呼ばれる防水紙が施工され、

万が一、瓦などの裏に水が回ったとしても、

家の中に雨が入ることを防ぎます。

 

ルーフィングの重ね幅は100mm以上などと、

決められていますので、確認しましょう。。

 

といっても、素人の方が屋根の上に上がることは

あまりオススメできません。

写真などで確認するか、専門家に見てもらいましょう。

 

バルコニーのようなフラットな部分はより注意が必要です。

現在は船と同じFRP防水で施工されることが多いですが、

窓の下で120mm以上、その他の場所で250mm以上の

防水の立ち上がりが必要です。

ひび割れなどがないかを確認するのと併せて、

スケールで測ってみましょう。

 

外壁の下地にも屋根と同じく防水紙があります。

屋根に比べ、換気扇、電線、などの貫通部分が多く、複雑な形状をしているので、

防水紙に隙間がないか確認することが必要です。

 

これも足場からの検査になるので、

できれば、専門家に依頼してください。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑦ 断熱・気密

断熱材は布団と一緒で、

隙間があると、断熱材の効果は半減します。

ですが、隙間を見つけるにはプロでもなかなか難しいものです。

 

現在はサーモカメラが比較的にお手頃な価格で手に入ります。

スマホに取り付ける事もできる商品もありますので、

ご検討されてもよいでしょう。

 

サーモカメラを持って、現場に行けば、

間違いなく、施工者は気合が入るはずです。笑

 

適切な断熱・気密の施工は現場を見ればわかるものです。

丁寧にテープを張り、隙間をつぶす。

これの繰り返しです。

 

その結果が、C値 0,2というような高気密性能になります。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑧ 足場撤去前

足場撤去前に、今一度外周部をチェックすることはとても大切です。

家を作る現場には30種類以上の業種の職人が入ります。

 

その際に故意でないにしろ、

完成したものを傷つけているケースが少なく有りません。

 

上記写真は屋根を渡る樋が凹んでいます。

おそらく太陽光発電の業者もしくは電気屋さんが

傷つけたのだと推測されますが、

見た目の問題だけではなく、

放置しておくと、傷からサビが出る可能性もあります。

 

足場からのチェックになるので、

一般の人がされるのはオススメできませんが、

現場監督にお願いして動画を撮ってもらうのも

確認の一つかと思います。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑨ 内装下地

大分、完成に近づきました。

内装下地です。

どんな仕上げになるしても、

最近では耐火性の観点で、内部は石膏ボードという材料が

よく使われています。

 

ビスで柱などに締め付けを行うのですが、

ここでもビスのピッチが決められています。

ジョイント部分では150mmピッチ、中央部では200mmです。

 

これはスケールがあれば、簡単に計測できるので、

確認してみてください。

 

また併せて、石膏ボードに割れがないか、

膨らみはないかを確認すれば、

よいよい仕上げになります。

 

欠陥住宅にしない現場監理⑩ 完成時の検査

かなりかいつまんで、ご紹介してきたのですが、

長くなってしまいました。

 

完成時の検査のチェックポイントは大きく3つあります。

ただ、ここでご紹介すると、

工務店さんなどの施工者さんに怒られそうなので、

(今までの内容も、嫌がられていると思いますが、、)

メルマガを登録された方限定にご紹介とさせてください。

m(_ _)m

 

引っ張って申し訳ありませんが、

この完成時の検査は

完成見学会での見るポイントとしても使えます!

 

あなたが、よい工務店を見つけるポイントにもなりますので、

ぜひ、メルマガ登録をして、

内容を把握することをオススメします。

 

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