車に寿命があるとの同じく、
建物にも寿命があります。
また、車が定期的なメンテナンスで、
長持ちするのと同様に、
定期的なメンテナンスは、
住宅も高寿命化することになります。
メンテナンス費用をポイントを抑えるのが重要です!
そのポイントについて、
一級建築士歴 20年の川端が解説します。
Contents
家のメンテナンス費用はどれくらいかかるのか
日本の住宅は30年で
建て替えられているという
話もありますが、最近では45年くらいという
データがあります。
上の表は住宅寿命を50年とした場合にかかる
メンテナンス費用になります。
(新築時の仕様は建売住宅程度の想定)
建売住宅の多くは外装材に
化粧サイディング、カラーベストを
使用していることが多く、
その場合、15年〜20年で改修工事が必要です。
そして、2回目の外装工事のときは
屋根や外壁の張替えが発生し、
3回目では、どうせならということになり、
建て替えるという流れになります。
もちろん、トイレや浴室、キッチンなどの
住宅設備は使用頻度も多く、
メンテナンスが発生しますが、
外装工事は何より
足場を設置しての作業
になるため、費用が嵩みます。
メンテナンス費用を抑えるには、
外装改修工事を少なくすること
が重要です。
塗料によっては耐久年数が違う
化粧サイディングのメンテナンス方法として、
一般的なのは、塗装です。
余談ですが、
化粧サイディングは新築時は
タイル模様などがありますが、
外装改修の時には一色で
ほとんどの家が塗られ、
タイルには見えなくなります。
とてもチープな印象です。。
私が化粧サイディングを使わない
理由の一つでもあります。
また、塗料も種類が数多くあります。
アクリル系塗料、ウレタン塗料は
耐久年数は10年
耐久年数が長いと言われる、
フッ素系塗料は15年〜20年となります。
フッ素系塗料はウレタン塗料の
およそ倍の価格がしますが、
工事の頻度が下がるほうが、
安価になりますので、お得です。
屋根や雨樋も忘れずに
外壁はよく目立つので、
塗装の必要性を気づきやすいですが、
足場をかけた際に併せて、
樋や屋根の塗装をすることを
オススメいたします。
一緒にしないと、また足場を組んで
施工しないといけなくなります。
たまに足場なしで工事をすると言う会社が
ありますが、大変危険です。
良識のある会社であれば、
そんな危険行為を社員にはさせませんし、
なにより、ご自宅で職人が怪我をする
というのは、気持ちのよいものでは
ありませんので、
そういう話に乗らないことをオススメします。
思い切って耐久性の高いものに交換する
最近ではメンテナンスが少ない工法が
確立されてきています。
上記写真は、そとん壁という外壁素材です。
モルタル壁と同様の施工方法ですが、
ひび割れが少ないのが特徴で、
化粧サイディングなどのコーキング材が不要です。
実は外装の改修工事をする理由には大きく2つあります。
1.劣化により防水性がなくなり、
雨漏りの可能性でることへの対応
2.汚れにより、見た目が悪くなる
1の防水性がなくなるのは、
建物の劣化が進むので、
必ず外装改修工事が必要になります。
2については
経年変化が楽しめる
外装材を選ぶ
ということが重要です。
これはウイルウォールという外壁材です。
防火性もある木製の壁材です。
改修後、5年ほどになります。
もともと、茶色だった外壁材ですが、
年数を経て、色が抜けてきている状態です。
これを私たちは「味わい」と捉えています。
新しいというのがいいわけではなく、
人と同様、年数を経て出る魅力があるはずです。
汚れではなく、味わいを楽しめる材料を
選びましょう。
外装材の交換時には耐震性の確認を。
最近では瓦やモルタル壁などの
重い材料が耐震性の観点で、
嫌煙されています。
しかし、昔から使われてきた外装材には
使われた意味があります。
それは耐久性や耐風性。
石やタイルと同じように重い材料は
耐久性や耐風性が高くなります。
その性能を重視されて、
瓦などが採用されてきたのです。
長く使われてきた材料の
意味を見直すことはとても大切です。
よって、改修工事で
こうした気候風土にあった外装材に
変えるのはありです!
ただし、注意点もあります。
地震時の建物の揺れ方は、
建物の重さによって変わります。
特に屋根の重さが変わると
大きく揺れますので、
屋根や外壁に重い材料に変える時は
耐震性も併せて検討することが重要です。
耐震改修も併せてと考えると、
難しく思えるかもしれませんが、
外壁下地材に耐震性能が高い材料を使う等、
色んな方法が考えれます。
外壁や屋根の材料を
交換する時は耐震性能を上げる
チャンスであるともいえます。
最初に耐久性のあるものを選ぶ!
そもそも論ですが、
最初から耐久性の高いものを使うことが、
一番賢い選択になります。
外装材も長く持つ材料を使い、
その材料の持つ重さに対し、
きちんと耐震性能も確保する。
そうすれば、災害にも強く、
建てた後のメンテナンス費用が抑えられます。
実はこの考え方は、
もっと、大きな意味があります。
それは、建物そのものの寿命が伸びること。
寿命が伸び、耐用年数が70年、80年となれば、
あなたの子供や孫が
建設コストを
負担しなくてよくなります。
日本古来の家はもともとは
そういった住み継がれる住宅だったのです。
ぜひ、そういった住まいを
次の世代に残しましょう。
まとめ
家のメンテナンス費用を抑えるポイントのまとめです。
1.メンテナンス費用が多くかかるのは外装(屋根・外壁)
2.足場をかけるときは屋根や樋も忘れずに!
3.思い切って耐久性の高い外装材に変える!
4.重い建材を選ぶときは耐震性もチェック!
5.最初から耐久性の高い外装材を使うのが賢い!
世の中の常識として、
長く使わなければならないものを
安さで選ぶと、後で高くつきます。
ネットで安い商品を購入して、
後悔した経験があるのは、
私だけではないはずです。
建物の寿命は、
私たちが使うもので、
最も長いものです。
安さだけで選ぶのではなく、
長く使えるのはどれかを考える
がとても大事です。
また、外や中の壁の汚れは実は
断熱性能が影響していることを
ご存知でしょうか?
詳しくお知りになりたい方は、
ブログにまとめましたので、
ぜひ、お読みください。
断熱性能不足はリスクだらけ! 外壁は汚れ、部屋の中はシックハウスに!
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