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熱も音もあきらめない〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

さて、ドイツから戻り、客観的に考えれるようになってきたので、

先週の視察中で、伝えそびれたことを少し深掘りしていきます。

まず、あまりドイツドイツというとそんなに自国以外のことを褒めるなと言われそうなので、ヒトコト

私も短いですが、海外経験者であります。

海外で出会った日本人に共通することは日本が好きということです。

海外にでたからこそ、日本の素晴らしさに気づけるというところはあります。

逆にいうと悪いところも気づきます。

ドイツで活躍されている多忙な中今回視察をコーディネートしてくれた5人も日本が好きだからこそ、

情報発信をしつづけてくれています。

さて、本題。

最近思うことは日本人は本当に一つのことに偏りすぎることです。

良いと思えば、それがビジネスとしての、差別化としての道具でとことんこだわり、

その他のことがおろそかになります。

戸建て神話は市民がつくっているのではなく、作り側の私達がつくっていると最近感じます。

今回もそんな話。

ドイツでは戸建て住宅はそんなに建っていなくて、

共同住宅が一般市民の居住の場であり、住宅だけではなく、小学校の高気密高断熱化も盛んに行われています。

そんな中問題になるのは「音」の問題。

高気密高断熱化すると、外の音は入りにくくなりますが、

中の音も逃げなくなり、小学校などでは授業に支障をきたします。

日本では、高気密高断熱が盛り上がり、音の問題は住まい手からの要望はあるはずなのに、

仕方ないですましていることが多いように思います。

視察に行った小学校はコンクリートの蓄熱性を利用するため、

ほとんどがスラブに直に仕上げられています。

ですが、配管ダクトの下がり天井部分、壁のスペースを使って、

吸音材を貼り、授業に支障がでないように音響レベルを計算の上、設計されています。

廊下にはパーティクルボードが縦に設置されていますが、

これも音響対策として設計されています。

食堂は教室より、吸音設計を下げ、賑やかに食事ができるように配慮されています。

建築を設計する際に、温熱ももちろん大事ですが、

そこを使う人のことをどれだけ配慮されているかが、もっと大事ではないでしょうか。

住宅も大切ですが、子どもたちが快適に過ごすために小学校建築にも、

真摯に取り組む必要があります。