さて、姫路で最新のマーケティングを学んだ後、
名古屋から岐阜に入りました。
今回の旅のきっかけ、岐阜の鳳建設 森さんに会いに行きました。
彼は30代なのですが、とにかく知識量が半端ない!
現在は高気密高断熱の技術だけでいえば、
議論が尽くされ、施工精度はともかくとして、設計知識は均衡してきたと思います。
しかし、森こうすけは半端なかった。
一見きれいに整理整頓された高気密高断熱の現場に見えますが、
やっていることがすごい。
まずはパッシブ換気。
これは冬は換気の吸気口に暖房機を設置し、その揚重力で換気をする。
ここまでは私も北海道で学んできたが、
その夏バージョンとして、小屋裏部分から入れた外気を
冷房し、床に近い部分から換気するシステムを計画している。
プランの制限は出てしまうが、そのシステムの使い方を理解してくれる住まい手には
快適でかつ、省エネな生活を送れることだろう。
ただ、半端なさはこれだけではない。
屋根の断熱材を複数の種類を重ね合わせている
この目的は。
「比熱容量」
物質にはそれぞれ熱を蓄える容量が決まっている。
コンクリートなどの重いものは、たくさん熱を貯めれる。薪ストーブが鋼鉄製なのはこの熱容量を利用し、
長く熱を保てるようになっている。
熱容量が多いものは、その分熱を蓄えるのに時間がかかるというタイムラグを生む。
熱容量が大きい断熱材で言えば、ウッドファイバーなどがありますが、
森さんは今回一般的な材料で、実験的に断熱材を重ねている。
この辺は、一部の読者は置いてけぼりになっていると想像されるので、
簡単な図示化をしてみた。
一般的な住宅では、夏の日中は窓から入ってくる日射熱と同時に屋根と外壁から入ってくる熱も排熱をするため、エアコンが働く
森さんが挑戦されていることは熱容量が違う、断熱材を重ね合わせ、部屋の中に熱が来る時間をずらしています。
こうすることで、エアコンは窓から入ってくる熱のみを排熱することが仕事になります。
そして夜になり、窓からの日射がなくなること、屋根からの熱が部屋に到達し、
エアコンの仕事はこの熱を排熱することになります。
つまりエアコンの仕事が24時間平均化され、小さなエアコンで十分冷えることになります。
実はこの理論は昨年ヨーロッパで、無暖房無冷房の事務所ビルが建築されたことをヒントにした
チャレンジです。
私が向かうスタンスとは少し違いますが、こんな若手がいることがとても心強く思います。
半端ない森こうすけさんでした。
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