今回から数回に分けて、住宅を建築するときのコストを解説したいと思います。
良く坪単価で話をしたりしますが、建築コストはそれぞれの工種の積み上げになります。
上記はLCCM住宅の平良山手の家の見積構成比です。
見積の大項目だけでは18種類あります。
つまり、18種類の仕事があるということです。
この18の仕事はまたその下で、様々な職人さんが出入りし、
おそらく50以上の職人が一軒の家をつくることになります。
その一つ一つの職種について解説していきます。
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仮設工事
どんな見積でも最初に書かれるのは仮設工事です。
私は最初の就職で神戸にて、マンション建設に従事しましたが、
足場担当者として、仮設計画を作成していました。
ガテン系の建設現場では、みんなプライドを持って仕事をしていますが、
足場を組む鳶には一目をおいています。
もちろん、足場を組まないと仕事ができないので、当然です。
仮設工事には足場以外にも仮設トイレや、電気、水道、
現場で出た廃材の処分費なども含まれます。
基礎工事
基礎工事は皆さんにも馴染みが深いかと思います。
伝統建築では基礎がなく、束石の上に直接柱が載せられていましたが、
現在では、防蟻(シロアリ対策)や耐震性を考慮して、ベタ基礎が主流になっています。
ベタ基礎と一口で言っても、鉄筋量などで、値段は大きく変わります。
木構造
つづいて、木構造です。
木造住宅において、金額の占めるウエイトが一番大きい項目になります。
平良山手の家は、南側に隣家が迫っているため、大きな吹き抜けをつくり
光を入れる工夫をしています。
私は構造をダンボールの箱に表現しますが、
ダンボールは蓋をガムテープでしっかり止めると、
頑丈な立方体になります。
吹き抜けをつくるということは、その蓋に穴を開けるということです。
プレゼントデザインが設計する家すべてで耐震等級3を基本にしているため、
2階の床に穴が空いている分、屋根の剛性を高めるため、
登り梁を採用し、等級3を確保しました。
こうした一つ一つの設計も、もちろん工事価格に反映されます。
構造部分で30%
あくまでも割合の話ですが、平良山手の家では仮設、基礎、木構造で、
見積価格の30%を締めます。
これらは建物の長寿命化、耐震性をつくる重要な要素です。
次回は表層部分について解説していきます。
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