さて、私は家づくりのお手伝いをしながら、
私自身はマンション住まいである。
もちろん、仕事がらいつかは自分の家をとの思いはあるが、
人はいろいろと事情があるものです。
さて、私のマンションはワンフロア3部屋あり、
真ん中が2LDKで、両サイドが4LDKとなっている。
この構成はなかなか気に入っています。
2LDKは高齢者がすみ、その両サイドにファミリー世帯が住んでいるという具合に
同じ年代だけが住むというよりは快適に感じます。
さて、我がマンションの前にマンション建築が始まりました。
私が住んでいるエリアは商業地域で容積率500%で
要するに土地の面積の5倍まで建築できるエリアです。
都市部にも近く、最近は単身者向けの賃貸マンションラッシュとなっています。
実は数年前すでに一棟建っており、ここが建つ際の工事説明会には
私が住むマンションの住民も多く参加し、反対したことがあります。
ただ、私は建築士なので、反対しても意味がないことは理解しています。
これは我がマンションの北側、
5階建てのマンションや2階建ての住宅があります。
私達のマンションが建つ前後では住環境は一変したでしょう。。
幸運なことに建設中のマンションは私の部屋からは外れています。
だが、不気味な駐車場が・・・
ここまで見ると町中にすむと仕方ないようねとの話になりますが、
確かに移り住んだ私達はそうですが、
上の写真にあるようにこの高層マンションの中にも昔からこの地に住む
住民はどう思っているのでしょう。。
高層マンションの問題だけではありません。
低層住居地域以外は3階建てが建つ可能性がありますし、
郊外であっても、隣地が近ければ、日射を得ることが難しくなります。
日照を得るために郊外の土地を選択するというのも一つの考え方ですが、
国の低炭素社会の考え方は都市の低炭素化もあります。
なにより、人にはそこに住まなければならない事情がいろいろあるものです。
だからといって私はパッシブ建築を諦めるつもりはありません。
昨年、竣工した本浦の家も実は南側に2階建てのアパートがあり、
急勾配屋根のその建物は1階への日射取得を困難にさせていました。
そこで、二階からの日射取得を行い、小屋裏へ空調機を設置し、
1階に暖気を送る方法を採用しました。
比較的、都市部での設計依頼が多い私にとって、
スタンダードな日射利用ができる案件は多くありません。
現在、南側が空き地であってもいつか建物が建つ可能性も含めた設計を行います。
南側に建物が建つ可能性がない敷地は山と海が狭る広島では多くありません。
可能性があるのは公園、学校、河川、海が南側にあることでしょうか。
幅員が大きい道路もいろんな問題があります。
多くの方は街中でパッシブで快適に暮らすことはできないと思われているかもしれませんが、
私はそうではないと考えます。
これは見たとおりサンルームですが、
ここに住み移るまえのご自宅で奥さんが
冬の日中にサンルームと部屋掃き出しの窓をあけて、
サンルームに溜まった熱を家の中に取り込み、夜は締めるという
パッシブな生活をおくるためにアクティブに動かれてました。
新居でも同じように日射利用をしたいとのことだったのですが、
お子さんの成長に伴い、なかなか家に時間がかけれなくなる。
人には事情があるものですね。
そこで、私は温度感知換気扇を設置し、一定温度になれば、
換気扇で家の中にサンルームの暖気を送るという工夫をしました。
今、メカメカゼロエネはだめとか、言われていますが、
ケースバイケースです。
敷地条件、家族の状況などにより、家の計画アプローチは
変えていかなければなりません。
あまり、頭でっかちにならず、素直なアプローチが吉です。
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