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耐震性が設計者によって変わる地域地震係数 本当に地震に強い家とは

 

熊本の地震から二週間。
被災地を思うと、なかなかブログを書こうと
思えずにいました。

まだ余震が続く中、不安な日々を過ごす被災者を
考えると胸が痛みます。

いろんな形の支援があると思うので、
私なりに実行していきたいと思います。

地震が起こった直後、報道やSNSなどで
様々な情報が飛びかっています。

その中で気になるのが「地域地震係数」についてです。

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これは性能評価や長期優良住宅認定の際に
必要な「耐震等級」があるが、
これによって定められている
必要な耐力壁を地域性によって
軽減できることになっている。

広島では0.9、熊本県では0.8の場所も多くある。
ちなみに長期優良住宅認定に
必要な耐震等級2は基準法上の1.25倍の耐震性を必要とするが、
地域地震係数を加味すると以下の様になる。

地震地域係数0.9の場合 基準法の1.22倍
0.8の場合 基準法の1.09倍
0.7の場合 基準法の0.95倍

なんと沖縄では基準法よりもゆるくなる結果になります。

上記の詳しい根拠を知りたい方は下記がわかりやすいです。

リンク

地震地域係数は任意基準のため、
軽減せず1.0としてもいいのですが、
私も含め、多くの実務者は
深く考えてこなかった事項です。

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これは熊本の地震ハザードマップ

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これは広島
色の濃いところが30年以内震度6の
地震が起きる可能性が高い場所です。

こうしてみると地震地域係数が
ハザードマップとリンクしていなどころか、
かなり大雑把な指標であることがわかります。

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そして1872年の浜田の地震から
中国エリアから九州は大きな地震被害がなかった。。

熊本の映像を見るとこうした
地震が少ないと思っている実務者の手によって
作られた家屋が被害を受けているように思えます。
また、広島も含めて、耐震改修が進んでいない。

地震は忘れたころにやってきますが、
5年毎に被害が少なくない地震が近年は起こっています。
もう忘れている場合ではありませんね。
日本は地震のロシアンルーレットをやっているようのものです。
適正な知識と備えを持ちましょう。