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構造は省エネよりもっと大事。

省エネや温熱のことばかり書いていると
それしか能がないようなので(笑)
構造について書きます。

これも温熱同様様々な工法が開発されていますが、
基本戸建て住宅は地域材を使った在来軸組工法にすべきと考えています。
ただ、この戸建て住宅というのが問題で、
本来構造計算を行い、安全性を確認するというのが建築のステップなのですが、
4号建築物と言われますが、
これは「建築士が設計した場合は確認申請の審査が簡略」されます。

広島市の場合は中間検査があるので、
4分割法という筋交いなどの耐力壁の配置とバランスを確認するための
構造図が確認申請に必要です。
しかし、お隣の山口県は中間検査がないため、構造図の提出さえ不要となります。
ですが、あくまでも建築士が設計した場合の審査が簡略化されるだけで、
構造のチェックはしなくてはいけないのですが、
「構造を検討しなくてもよい」と考える不届きな建築従事者も存在するので
注意が必要です。

文字ばかりだとわかりにくいと思いますので
木造の構造の考え方を追っていきます。

IMG_0635

私は木造軸組み工法をダンボールに例えます。
ダンボールに蓋が閉まっていない状態で、横から力を加えると
長方形のダンボールが菱型に変形します。
これが地震力や風圧力を受けたときの力の流れです。
これにより阪神大震災後は在来軸組工法はツーバイフォーに比べ、
地震に弱いと言われてきました。

e_structure_03
ですが近年剛床工法といって構造用合板を横架材に張ることにより、
水平剛性を高める工法が主流になっています。
つまりダンボールの蓋をがっちりガムテープで張っているわけです。

ですがこれで万全というわけではありません。

IMG_0639

4分割法という考え方は建物のそれぞれ1/4のところに
床面積、外壁見付面積に応じた耐力壁をバランスよく配置することになっていますが、
上記写真の図の通り、1/4のところに耐力壁を配置しただけでは
地震時に破壊される可能性があります。

IMG_0637

また、実際の建物には吹抜や階段などがあり、
床合板が張れない(ダンボールの蓋に穴が開いている)場合もあります。
この場合も地震力や風圧力には弱いと言わざるを得ません。

その場合は吹き抜けの近くに耐力壁を直交方向に配置したり、
小屋梁面(ロフトの高さ)に2階床合板とは別に構造用合板などを配置することにより、
地震力に対応します。

私は普段様々な会社の図面を見る機会がありますが、
4分割法も考えていない
吹き抜けを考慮していない
など様々な図面があります。

意匠デザインももちろん大事ですが、
構造はもっと大事です。
私は温熱などの省エネを得意としていますが、
構造は温熱よりも再優先だと考えています。

構造計算になれば、専門の設計事務所に外注するのは仕方がないとは
思いますが、床倍率程度までは自分自身でチェックできる
工務店や設計事務所が信頼できるといえます。

逆にお客様のいいなりに「なんでもできます!」
という実務者は信頼できないと考えて良いです。

経験上複雑なプランになればなるほど、
構造的な矛盾が発生しやすく、工事価格が高くなる傾向があります。

本当にお客様のことを考えている人を見る力をつけましょう。