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住まいは雨風を凌ぐためだけにあらず

新年あけましておめでとうございます。

今年も一般の人にはマニアックかもしれませんが、
住まいの新築・リフォームを考えられている方には有益な情報をお伝えしていこうと思います。

タイトルの通り、住まいは雨風だけをしのげればいいというものではありません。
最初の住まいのはじまりは雨風を凌ぐという目的だったかもしれませんが、
その後、人々の生活をより豊かに安心して暮らすために進化してきました。

その中に島国の日本で多くの地震を体験してきて、
現在の建築基準法は耐震性能の最低基準を設け、その最低基準の耐震性能を持たない
建築物は日本では建設することができません。

ですが日本で性能基準として義務付けしてあるのは耐震・耐風・防火性能(規模地域による)
だけで、その他の音環境、光環境、劣化・維持管理、空気環境、温熱性能は現時点では義務性能はありません。

そんな中、世界的な低炭素社会の実現に向け、2020年までに温熱(省エネ)性能も段階的に義務化になります。

建築実務者の中には、省エネ性能の義務化に嫌悪感を持っている人もいます。
それは「夏は暑く、冬寒いのは当たり前」という従来の日本の意識からくるものと推測されます。
省エネの義務化ではなく、「我慢の生活」をすればいいということだと思いますが、
果たして本当にそれでよいのでしょうか?

日本は高齢者社会へ突入しています。
医療の発展によって、日本人は長い人生を送れることになりました。
ですが単純に喜ばしいことだけではありません。

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上記グラフは日本人の平均寿命と健康寿命に10年もの差があることをしめしています。
世界有数の長寿国である日本人は最後の10年間、身体に何かしらの障害を抱えて生きていることになります。

どういうことなのでしょうか?
平成22年家庭死亡原因

これも厚労省の統計を元に作成した私達日本人の家庭内の死亡原因グラフです。
このお正月でもよく耳にする喉のつまらせる窒息死は大きな割合としてありますが、
それ以上に多い割合を占めているのは「溺死」です。
もう一度言うと、「家の中で溺れて死んでいる」割合がもっとも大きいのです。

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その根拠を示すように、心肺停止で緊急搬送されるのは冬に多くなります。

人間の体は実に繊細です。
寒い家で生活をし、冷えきった体は熱い湯温でないと
暖かく感じません。寒い洗面所で服を脱ぎ、血管が収縮した状態で、
暑い浴槽に飛び込む。

若く元気なときは大丈夫かもしれませんが、弱った血管やお酒が入っていると大変危険です。

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二年前から建築実務者に伝えていることがあります。
なかなか浸透しないので、生活者の皆さんにもお伝えします。

ホームセンターに行けば、数千円で温度計が買えます。
まず、自宅の洗面所に温度計をおいてみてください。
その温度が15℃を下回っていると要注意です。
ヒートショックの可能性があります。

そこで騙されたと思って、冬の間に洗面所に内窓をつけてください。
窓の大きさにもよりますが、4万円から5万円で施工できるはずです。
※窓ガラスは断熱LOWEペアガラスを強く推奨します。
高い安いの判断は自身の健康を守る観点も含めてしてください。

そしてその効果をこの冬で感じれば、ぜひ春以降にご相談ください。
春になれば、様々の補助金がはじまります。
補助金を活用し、次の冬を備えて健康な生活を手に入れてください。