自宅でお店をはじめてみたい!
と思われているかたも多いのではないのでしょうか?
コロナ禍による、通勤や多人数が集まるオフィスに
リスクを感じている方も多いですが、
実際には、
店舗併用住宅
というのは街のあちこちあるものです。
私のような設計事務所のような小規模な事務所から、
花屋、美容室、パン屋、小規模飲食店。
また、地域には欠かせない
歯科医院、小児科、学習塾など
会社員ではなく、技能を活かし、
地域に密着して、仕事をしている方も多くいます。
でも、店舗併用住宅の間取りプランは、
なかなか頭を悩ませるところです。
今回、店舗併用住宅を数多く設計してきた
一級建築士の川端が、玄関パターンにわけて、
店舗併用住宅の間取りを解説いたします!
Contents
店舗併用住宅の間取りプラン① 玄関なし!?
最初に紹介するのは、
日本の原風景ともいえる
そもそも玄関がないパターン
店舗が玄関の代わりになっていて、
奥に住宅があります。
そんなの見たことない!!って言われるあなた
ぜったいあるはずです。
小学校の通学路近くにある
駄菓子店、たこ焼き屋、文房具店などは
こういう形式が多いです。
メリットとしては
道路に接している部分全体にお店のスペースをとれることです。
デメリットは、、
簡単ですね、家族全員、お店を通らないと家に入れないので、
プライバシーとパブリックをわけることはできません。
それも昭和生まれの私にとっては、
懐かしく感じます。
しかし、このデメリットもメリットに変わります。
第一種低層住居専用地域というエリア内で
建てることができる店舗併用住宅の店舗面積は50㎡以下までです。
店舗と住宅が玄関部分を共有している場合、
その面積は按分することが可能です。
例えば、共有面積が10㎡であれば、
5㎡は店舗、残りの5㎡は住宅として、
計算することが可能です、
※建築主事により判断が異なる場合があるので確認要!
そうすれば、店舗として使える部分が
より大きくする工夫が可能になります。
また、営業時間が限られているような店舗
朝だけ営業するパン屋、
放課後だけ開く駄菓子屋さんなどは、
プライバシーをあまり気にすることなく営業も可能です。
町づくりの専門家としては、
このように町に開いた、お店が増えることは
活気がでるので、オススメです。
店舗併用住宅の間取りプラン② 玄関2つ
プライバシーが必要な病院や歯科医院などは、
この形式が理想的です。
さすがに患者さんの前を通って、
家に入るわけには行きません。。
プレゼントデザインの設計事例である
広島市にある歯科医院兼住宅です。
左側が歯科医院の入口で、右側のくぼんだ場所は
住宅のポーチになります。
ちなみにこの歯科医院は
築40年の建物をリノベーションした歯科医院です。
上記はリノベーションする前と後の光熱費ですが、
歯科医院でしか使わない動力が2倍になり、
その他の光熱費は半分になっています。
つまり仕事は忙しくなり、
光熱費のランニングコストは安くなったということです!
店舗併用住宅は事業経営です。
また、店舗にいるお客様に快適を提供しないといけません。
住宅よりも光熱費は多く使わなければなりません。
光熱費などのランニングコストを抑えるには、
しっかりとした、断熱設計が重要です。
どれくらいの断熱性能にすればよいかは
下記ブログで解説しているので、
建築後、光熱費の支払いで頭を抱えないように
ちゃんと確認してください!
もちろん、店舗の外観デザインは
集客に大きく影響されます。
デザインにもしっかりこだわりましょう。
店舗併用住宅の間取りプラン③ 玄関共有型
玄関を2つつけるということは、
その分面積も増え、玄関ドアも二箇所必要になり、
建設コストが増えます。
予算的な制限がある場合は、
玄関を共有する方法もあります。
玄関に入り、左は住宅、右は事務所のような形をとります。
事務所のような来客のそんなに多くない
店舗併用住宅はこの方法が適しています。
うまく、キッチンやトイレを
中間エリアに設置しておけば、
水回りを共有することも可能になります。
上記プランは、雑誌編集会社兼事務所の計画です。
(最終的には住宅のみの計画になりました)
玄関を一つにすることにより、
住宅と同じようなボリュームで計画することが可能になります。
もちろん、床面積が抑えることは、
予算を抑えることにつながります。
店舗併用住宅の間取りプラン④ アプローチ共有型
玄関共有と玄関別の折衷案です。
アプローチのみ共有して、
玄関は2つあります。
アプローチにも屋根がかかり、
タイルを張りと、お金はかかります。
こうした動線を一つにすることにより、
予算を抑えることができます。
プレゼントデザインの設計例である美容室兼用住宅です。
斜面地に建つ建物のため、
階段をおりて、玄関があります。
静かに景色を楽しみことができるのが
魅力な美容室なので、
玄関を共有するわけにもいきません。
詳しくは完成写真を見ていただくのが、
一番わかりやすいかと思います。
店舗併用住宅の間取りプラン⑤ 階分け型
店舗併用住宅は音がよく問題になります。
例えば、塾などの静かさが必要な店舗部分の横では、
なかなかゆっくりテレビを見てくつろぐことができません。
この場合、1階は店舗、2階は住宅と
しっかりわけることで、音の問題を解決できます。
店舗と住宅の間から、
生活が見られることもなくなります。
一つ注意点ですが、
外部階段で2階に上がる方式もありますが、
第一種低層住宅専用地域での店舗併用住宅は
住宅と店舗が室内で行き来できることが条件になっています!
外部階段で2階の住宅に上がる場合、
別の内部階段で、1階に降りれないと
この条件に当てはまらなくなるので、
面積が増えることになります。
ご注意ください。
店舗併用住宅の間取りプラン まとめ
店舗併用住宅の間取りプランのまとめです!
①玄関なし ⇒地域密着 小規模店舗向き
②玄関2つ ⇒プライバシーの必要な病院、歯科医院向き
③玄関共有型 ⇒来客の少ない小規模事務所向き
④アプローチ共有型 ⇒プライバシーが少し必要な美容室、理容店向き
⑤階別型 ⇒玄関2つ型同様
最後に店舗併用住宅での住宅ローンについて
お悩みの方も多いかと思います。
店舗は事業用ローン
住宅は住宅ローンと分けられることが多いですが、
すべて住宅ローンで建設費をまかなうことも可能です。
金利がかなり変わりますので、
金利負担を抑えたい方はかならず読むことをオススメします!
プレゼントデザイン代表 川端が書いた小冊子です。
人生プランもしっかり考えたい方はぜひ読んでください。
ブログに書けるのは実は当たり障りのないことが多いです。
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