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屋根工事 〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

前回は建築工事における、構造について解説しました。

続いて、屋根に関して解説します。

まず、屋根工事としては、日本古来の建材の瓦屋根がまず思い出されます。

建築家はあまり使わないというイメージがありますが、

素材感のある屋根材です。

私の大学院の先生である、堀部安嗣さんが設計された鹿嶋の研修所も私の好きな建築です。

 

ガルバニウム鋼板

プレゼントデザインが設計したガルバニウム鋼板の立平葺きです。

昔のカラー鉄板と違い熱を加えて着色しているので、傷がつかない限り錆びることはありません。

 

カラーベスト

現在多くの住宅で採用されている屋根材です。

安価な材料として、知られています。

 

特殊材

特殊材としては、ヨーロッパなどの石葺きや、日本の杮葺きがあります。

かなり高価な建材となります。

 

屋根の重さと耐震性

地震が起きるたびに重たい屋根材がやり玉にあがっていますが、

重量が重い、鉄筋コンクリート造が地震に弱いという話はありません。

重量が重い分、支える耐力壁を配置ることが重要です。

このことから、耐震性で屋根材を選ぶのは、違うといえます。

屋根材の劣化について

良く、カラーベストは長持ちしないと言う話があります。

しかし、それも正しくはありません。

最近のカラーベストは30年近く持つというメーカーもあります。

耐久性の違いはなにか考えていきます。

北国でつららができる様子が見受けられますが、

これは屋根の断熱が乏しく、暖房した空気が屋根を温め、

雪を融かし、その結果つららができます。

ちゃんと断熱をすれば、つららはできなくなります。

加えて、通気層をきちんと取ると、屋根材が夏の日差しと室内の冷房の影響を受けにくくなります。

平良山手の家の通気層の施工状況です。

まとめると、屋根材の厚みの中で、夏の冷房と日射の温度変化点、

冬の暖房と冷気の変化点が生じると屋根材は結露や割れなどが生じて、劣化が進みます。

日本の建築業界のあるある話ですが、

建築現場での無知や手抜きによる問題を、建材に押し付けることがあります。

次回お話する外壁材もそうですが、屋根材が劣化すると

足場をかけて改修工事する時期が早くきます。

お金をかけるべき部分を間違わないようにしましょう。

 

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