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「窓」を考える 〜広島のっぽの設計事務所がみる未来〜

先日、YKK APさんからの依頼で、

愛知県岡崎市で100名の工務店さん向けに講演をしてきました。

20人規模の省エネセミナーは過去に経験があるのですが、

今回は過去最大で、それなりの準備をしていきました。

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その時の写真ですが、思ったほど緊張せずにお話することができました。

窓メーカーのYKKAPでの講演なので、

それなりに調べたりしたのですが、

その中でも一般向けの方のお話を紹介します。

 

「24時間、365日窓を閉めて、エアコンをつけっぱなしにしてください。」

打ち合わせ中のお客様が、あるハウスメーカーから言われた言葉です。

建物の外皮性能、窓・断熱材が上がってくると

一つ問題が起きます。それは夏対策。

私は常々言っているのですが、

「家はパッシブ、住む人はアクティブ」

パッシブデザインが現在、注目を浴びていますが、

これは家の周辺環境を読み、太陽や風に逆らわず、

うまく受け入れることにあります。

パッシブデザインの最初のステップは周辺環境の読み取りであり、

次に重要なのは、自然環境をうまく受け入れるための「窓の設計」にあります。

ここで、窓についておさらいです。

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西洋のwindowの語源は風の目、つまりどのように風を室内に取り入れるか。

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日本の窓は間の戸、紙と木で作られた日本の住まいは何重にも間戸を設置し、

バッファゾーンを作りながら、外と中をつなげています。

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特に日本人は四季を意識した家づくりをしており、外の景色だけではなく、

四季折々の香りも楽しんだのではないでしょうか?

つまり外と繋がらない窓は窓ではないのです!

 

ではなぜ、そのハウスメーカーは窓を開けるなといったのでしょうか。

その会社は高性能住宅で高評価を受けています。

これは知られていることですが、建物の高性能化は冬対策。

四季がある日本ですが、冷房よりも暖房エネルギーのほうが圧倒的に使う量は多いので、

建物の高性能化が必要とされています。

つまりそのままでは夏暑い家になってしまうので、必要な暑さ対策に

日射遮蔽対策があります。

庇などもこれにあたりますが、実はガラスにも種類があります。

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日射を遮るガラス、日射を取り入れるガラス。

パッシブデザインの基本的な考えでは、

南側は太陽高度が夏冬変わるので、窓は日射取得型を使い、冬あたたかい日差しを家の中に取り入れ

夏は庇によって日射を遮る。

西側は帰宅後強烈な日差しが入るのと、太陽高度が低く、庇が効かないので、日射遮蔽型のガラスを使い、

夏重視の窓とします。

これが敷地を読んだ窓の設計です。

しかし、そのハウスメーカーではすべての営業または設計担当者に敷地を読むスキルがないので、

全国的に同一品質の家をつくるため、すべて遮熱型(夏型)のガラスを入れます。

それに加え、窓を開け閉めのポイントも施主に伝えれないと

「夏暑い」というクレームが来るので、「窓を開けずにエアコン」という説明になります。

私は正直、その会社の外皮性能はすごいと思っていたので、ショックでした。

住まいは「シェルター」ではありません。

加えて外とのつながりを無視した家づくりは未来につながりません。

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窓を内から外のつながりだけではなく、街の景観をつくります。

街は決して「ひとごと」ではなく、あなたが住む街の価値はあなたの資産でもあります。

断熱性能は家の評価の一つでしかありません。

ぜひ、窓の意味をもう一度考えてみてください。