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ウッドショックの終わりまで、待つべきか? FP建築士が解説します!

「ウッドショック」という言葉が

2021年、駆け巡っていますね。

家づくりを考えている人であれば、

一度は聞いた事があると思います。

 

高断熱高気密住宅が当たり前になりつつあり、

建築のイニシャルコストが高くなるなか、

このウッドショックについては、

あなたも悩まれているところだと思います。

 

その悩みで一番なのが、

 

「ウッドショックの終わりまで待つべきか」

 

これだと思います。

実際、私のお客様からも

同様のご質問をお受けします。

 

ですが

家づくりにおいて、

イニシャルコストだけが

大事なわけではありません。

 

そこで、

ファイナンシャルプランナー建築士の川端が、

ウッドショックと家づくりのタイミングについて、

解説いたしますので、

最後までお読みいただければ、

あなたも家づくりのタイミングが

わかります。

 

そもそもウッドショックはなぜ起きたのか?

ウッドショックの引き金になったのは、

実はコロナが大きな原因になっています。

 

理由としては、下記の影響と言われています。

1.ロックダウンによる港の封鎖

日本では海外に比べて、

強硬な施策は行われていませんが、

海外では経済活動が制限される、

都市封鎖、ロックダウンが行われました。

 

テレビの映像から、

影響は街中の飲食店のイメージが強いですが、

街で働いている人だけではなく、

港で働く人達も、外に出れなくなりました。

 

つまり、輸出入に係る人々が激減し、

何をするにも時間がかかるようになったわけです。

 

2.小荷物の増加

これは私にも心当たりがありますが、

コロナ前でも、

ネット通販が盛んで、

広島市内の本屋さんも激減しました。

 

それがコロナで、

外に出れなくなったことにより、

ネット通販が急増したわけです。

 

?????

 

それがウッドショックと

なんの影響が?

と思われたかもしれませんが、

私達がスマホやパソコンで、

ポッチッっとクリックすれば、

商品が数日後届きますが、

実際は・・・・

海の上ではたくさんのコンテナ船が

荷物を運んでいるわけです。

このコンテナ船が先程あげた、

港の人で不足に加えて、

ネット通販の増加による、

コンテナの圧迫により、

運送コストがどんどん上がっていったのも

原因の一つといわれています。

 

3.北米の木材需要の増加

とはいえ、だんだんとコロナの規制が

ゆるくなっているのも事実です。

 

いち早く、ワクチン接種をはじめた

アメリカでは、

経済を立て直すために、

住宅の新築やリフォームに補助金を

出し始めます。

 

手間やコストをかけるよりも、

自国で木材の需要があれば、

優先的に木材を供給するもは

とても自然な話です。

 

ということで

日本に入ってくる外国材が

激減している状況になりました。

 

4.日本にも森林があるのでは?

日本はなんと

国土の67%が森林です。

そうですよね。

少し車で走れば、

すぐに山が広がり、

ハイキングや紅葉狩りを

こよなく愛す、日本人でもあります。

 

 

しかし、2017年の

日本の木材自給率はなんと、

たった36.2%

 

ここでは詳しくは触れませんが、

政治的な駆け引きで、

戦後にたくさんの外国産木材が

輸入されるようにもなりました。

 

政治的思惑でけではなく、

広島県では松食い虫が発生し、

梁材として使われていた、

松を輸入するしかなかった背景もあります。

 

ちなみに広島ではベイマツ材と言われる

北米の松材を取り扱う会社があり、

日本全国に出荷しており、

もともと、木材資源が少なかった

関東の都心部に色濃く

ウッドショックの影響を与えています。

 

なら、日本の木材を使えばいいのでは?

と思いますよね。

 

でも、そんなに簡単の話ではありません。

 

 

海外の木材がたくさん日本に入ってきた

つまり、日本の林業に使われるはずだった、

お金が海外に流れた

ということになります。

 

きつくて、賃金が安い。

 

当たり前ですが、

労働人口が減り、

高齢化が進みます。

 

山に資源があっても、

すぐに木材自給率を上げることが

できない現実があります。

 

少し、脱線しますが、

大工が結婚しようとしたら

相手の親に反対されたという

話を聞きます。

 

しかしながら

サラリーマンだけで

世の中が回っているのではなく、

一次産業で働く人達がいて、

私達は暮らせていることを

忘れないようにしなければなりません。

 

少し長くなりましたが、

残念ながら、

ウッドショックの影響は

コロナ前の状況に世界全体がなるまで、

続くと考えたほうがよいでしょう。

 

木材はどれくらい値上がりしているのか?

 

ウッドショック、ウッドショック

と言われますが、

どれだけ影響があるかは

なかなかわからないものだと思います。

 

最近の弊社の事例でいうと、

工事金額の内、

木材の割合は12%ほど。

 

あれ、そんなに大きくないなと

思いますよね。

 

これが木材の価格の推移。

ありえない上がり方をしているのが、

グラフを見ていただければ、

おわかりいただけると思います。

 

1m3単価が65,000円から

8月時点で90,000円。

 

9月はもっとひどくて、

175,000円と言われています。

 

ちなみに30坪程度の家1件当たりの木材使用量は

平均15m3程度。

 

すべてベイマツで構成されるわけではありませんが、

11万円コロナ前より高くなってるので、

11万×15m3=165万円

 

つまり、

坪単価が55,000円上がっている

ことになります。

 

木材の割合が12%の金額構成ということ

考えても、

大きな増額と言えます。

 

これ以外にも、同様に

コロナの影響で、

鋼材や住宅設備機器の値上がりが

続いています。

 

確かに今家づくりをすべきか

悩みますね。

 

でも何でもそうですが、

デメリットだけではなく、

メリットもあります。

 

コロナ禍のメリット 低金利がつづいている

上記は住宅金融支援機構のグラグですが、

コロナ前から、ずっと低金利が続いています。

 

上のグラフは基準金利ですが、

実際には1%を切る住宅ローンの金利となります。

 

仮に1%の金利で35年ローンで、

本来、2500万円の工事費が

ウッドショックの影響で

工事費が2650万円になったとき、

 

月々の返済額は74,805円

総支払額は31,418,214円。

 

逆にウッドショックの影響が収まるまでまち、

その代わり、景気が回復し、金利が1.5%になると

(2500万円、35年、金利1.5%)

月々の返済額は76,546円

総支払額は32,149,099円。。。

 

そうなんです。

金利が高くなるほうが、

影響は大きいのです。

 

もちろん、金利が上がるとは

限りませんが、

その論法でいくと、

木材の価格が下がるとも限りません。

 

最悪なのは、

木材の価格があまり下がらず、

金利が上がるとなれば、

 

「あーあのとき建てればよかった」

ということになりかねません。

 

結論をいうと、

未来のことは誰もわからないというのが、

現実です。

 

身も蓋もなくて、

ごめんなさい。

 

ウッドショックの終わりまで、待つべきか。の答え

 

未来のことはわからない

と乱暴な結論としましたが、

実際、今はウッドショックで、

木材が高騰していますが、

 

これからもさまざまな

値段が上がるリスクはあります。

 

その都度、家づくりをためらうと、

おそらく、一生家づくりはできないでしょう。

 

個人的には

土地を探している方は、

土地が見つかった時が建て時。

 

建て替えやリノベの方は、

良い作り手に出会った時がやり時。

 

だと思います。

 

私達、実務者はその時々の

社会情勢に合わせて、

最適のご提案をすることが仕事です。

 

もちろん、限りある大切な予算ですので、

何を優先するかを整理して計画をすすめましょう。

 

今回はウッドショックと住宅ローンの観点で、

解説をしましたが、

あなたが今住んでいる住まいにもお金はかかっているはずです。

 

賃貸であれば、家賃と光熱費

持ち家であれば、

暑く寒いのにも関わらず、

かなり高い光熱費。

 

ちなみに4人家族の年間の光熱費の

平均は24万円と言われています。

その金額も把握しながら、

計画をいつすべきか考えましょう。

 

その光熱費と断熱性能について、

過去にブログにまとめていますので、

併せて、お読みください。

 

費用対効果を考えた建物性能解説ブログ