さて、無事に日本に帰って来て、
現在、広島便を待つ羽田空港にいます。
最終日の昨日はInter Solar に行って来ました。
これは太陽光発電とその周辺設備の展示イベントで
毎年世界中から人が集まって来たとのことです。
しかし、それも過去のこと。
出展ブースには空きも目立ちます。
なぜかといえば、ドイツでは太陽光発電の普及段階はもうおわり、
次の段階に入っています。
日本でもおこりつつある、再エネ増加による
電力網への過剰供給によるパンクが始まっています。
ドイツではそれを回避すべく、バーチャル発電所をという考えが
はじまりました。
住宅の上にある太陽光発電も含め、
小さな発電設備から大きなものまでをパソコン上で管理し、
発電抑制や電力網への電力調整を行うということです。
全く意味がわからないかもしれないですね。。。
ざっくりいうと現在の日本は自分の家で発電した電力は
自己消費 自宅で電気を使う、電気自動車に溜めるなど
もしくは中国電力などの地域電力会社に売電するかと
その建物で完結させてきましたが、
バーチャル発電所はそのコミュニティを通して、
個人間の売買が可能になります。
それの革新的な会社がsonen社
シンプルなデザインではありながら、
高性能な蓄電池を作っている会社ですが、
蓄電池だけではなく、バーチャル発電所を運営し、
電力売買コミュニティを運営しています。
このやり方であれば、賃貸マンションなどで、
再生可能エネルギーがない建物であっても、
契約者がこのコミュニティに入れば、地域の余った
再生可能エネルギーを使うことが可能です。
感動するシステムです。
2年前にフライブルクに視察に行った際は
都市計画の哲学を学びました。
この都市計画を定める時に意見が違ったり、
問題が起きたときには倫理のこころに従うそうです。
都市計画であろうが、経済計画であろうが、エネルギーでも
かなり倫理の専門家がその会議に参加するとのことです。
この倫理観に基づき、ドイツでは脱原発を決断したわけです。
倫理は短期間の経済性ではなく、「未来の子供達のために」を考えるからです。
ここが日本の政策に欠落しているところではないでしょうか?
自分たちの生きている間にその成果をみることができなくても
正しいことをするのが人間より寿命が長い政治の役割だと思います。
その目標に対しての取り組み方は日本とドイツは全く違います。
受験で例えるのであれば、日本は一夜漬けのその場しのぎ
ドイツは日々積み重ね、その実力を高めている。
だからこそ、ベルリン宮殿を高性能で復元できるのです。
このあたりは下記本に詳細が書かれているので、
ぜひお読みください。
最後に私はすべてドイツが素晴らしいとはいいません。
今回の視察でも落書き、歩きタバコ、駅案内の分かりにくさなど、
日本の方がすぐれているところはたくさんあります。
ただし、東京とベルリン、どちらに住みたいかと尋ねられれば、
即答でベルリンです。
教育、社会保障、働き方、など見た目だけでは叶わない、
生活の豊かさがあります。
本来、日本人もこの豊かさを大切にして来た民族なので、
日本を全否定するのではなく、ドイツを見ることにより、
日本人らしさを思い起こすことが大切なのかもしれません。
短いブログでは今回の経験はお伝えできないので、
都度整理しながら、お伝えしたいと思います。
最近のコメント