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耐震等級3の基礎と一般的な基礎の違いを耐震設計専門家が徹底解説

最近は耐震等級3の家を

作りたいという方が大分増えてきました。

地震がいつくるかわからない日本において、

とてもよい傾向だと思います。

 

しかし、普段耐震設計をしてない

工務店や設計事務所がはじめて

耐震等級3を目指す場合に

大きなハードルの一つが基礎設計になります。

 

基礎は文字通り、

建物を一番下で支える

重要な部分です。

 

間違った知識で基礎設計・施工すると

取り返しがつかないことになりますので、

ぜひ、ご理解ください!

 

一般的な基礎

これはあるローコスト住宅の基礎配筋です。

きれいに鉄筋が組まれていて、

何の問題もないように見えますね。

 

はい、そのとおりで、

法律的には全く問題なく、

瑕疵保険の検査も合格

しています。

 

つづいては耐震等級3の家です。

上記はプレゼントデザインが設計した

基礎配筋ですが、

明らかに色の濃い部分があります。

これは地中梁と言われる部分になります。

地中梁とは文字とおり、

地面の中にある梁のことをいいます。

なぜ、この地中梁が必要かを解説します。

 

建築構造の基本的な考え

まずは建築構造の基本的な考えを

整理します。

 

建築は水平な床をつくり、

それを支えるように構造

を考えます。

 

上記はダンボールですが、

これが水平な状態を保つことが

健全な住宅になります。

 

ダンボールに重しをのせると、

上の写真のように

ダンボールがたわみます

 

これが建物の破壊になります。

床が傾くとそれは

欠陥住宅になります。

 

一生懸命つくった住宅が

欠陥住宅にならないようにするには

どうすればよいか。

 

ダンボールに縁をつけてみます。

そうすると重しをおいても、

水平が保てるようになります。

 

この縁が梁と呼ばれるものです。

床のような薄い部位を

たわまないように補強するものが梁材ということですね。

 

そして、ローコスト住宅の

基礎写真をもう一度見てみましょう。

基礎梁が切れていますね。

これは人通口と呼ばれるもので、

床下には水道の配管などがあるので、

点検や修理で入ることがあります。

 

また、最近では床下エアコンなども

流行っており、

床下に暖房した空気を送るためには

開放的な基礎空間が必要になります。

 

その場合、基礎梁が切れてしまうと、

耐震性の悪い基礎になってしまいます。

 

そこで必要なのが地中梁ということになります。

 

地中梁は基礎が完成すれば

見えなくなりますが、

この建物をささえる重要な部分になります。

 

この基礎は品格法の耐震等級3であっても、

許容応力度計算を行って、

鉄筋量を決めていますが、

この許容応力度計算以外の方法で、

鉄筋量を決める方法もあります。

 

スパン表による基礎の設計

上記は全建総連福島のホームページです。

http://kensetufukushima.jp/service/jkt_hoken/betakiso

 

スパン表による基礎設計は

基礎梁と基礎梁の間の距離と

建物の重さによって、

スラブ鉄筋量を決めます。

 

スラブ配筋というのは

基礎の床部分のことをいいます。

基礎梁の距離が遠くなればなるほど、

先程のダンボール同様たわみやすくなるので、

鉄筋量を増やして、

固くすることで、たわみや変形

抑えることができます。

 

このスパン表は

多くの工務店が採用しているようで、

理由としては

 

難しい構造計算をしなくてすむこと

にあるようです。

 

しかし、注意点もあります。

 

基礎梁に人通口などを

あけてはいけません

 

つまり、床下エアコンなどの

採用は難しいですし、

点検する穴がないことになりますので、

床下点検口をたくさん付ける必要があります。

↑床下点検口はこういうものです。

一般的には配管が集まる、

洗面所やキッチンの床に設置することが多いですが、

スパン表をつかった基礎であれば、

リビングなどの床にも設置する必要があります。

 

設計が楽ではありますが、

色々課題が多いのが

スパン表の設計でもあります。

 

基礎は許容応力度の計算がおすすめ

基礎は最終的には見えなくなってしまう場所ですが、

構造的にはとても重要なところです。

 

理由としては

あとで改修工事をするのが一番困難な場所です。

 

インスペクションの竣工検査で

基礎にひび割れを見つけたことがあります。

 

有名なローコストの建売住宅でしたが、

やはり安いのには理由があるということを

決して、忘れないでください。

 

プレゼントデザインでは現場解説動画を

行っています。

地中梁の解説動画は下記で

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