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家づくりの責任とは 〜広島のっぽの設計事務所が見る未来〜

私が独立して間もないころは、

まだ省エネが大事という話をまともに聞いてくれる人は少なかった。

その中のひとりで、左官業から工務店になったある方と会いました。

設備屋さんから建築屋に転身して、

一気に知識と技術を上げていった友人もいるので、

元々何をしていたのかなんて、どうでもいいとは考えていますが。

この方はかなり常識から逸脱している方でした。

省エネの話をすると、全く断熱材を入れていないようで、

その方は塗り壁をすれば十分だと言われてました。

そしてその方は、

「思ったよりも、私が作る家は寒くない」

という一言で、この方に何を話しても時間の無駄だと感じました。

この経験から、私は講演のときこのスライドで話をすることになります。

軽トラに乗って、冷暖房のない現場を走り回る筋肉隆々の職人あがりの

工務店社長がいう、「思ったほど寒くない」という言葉に何の意味があるのか。

 

また、別の勉強会で契約についての話があった時に

その方は「請負契約書なんて結びたいというお客さんの家は建てない」と、

驚愕しました・・・

このご時世で請負契約書をなしに家づくりをさせられるお客様はかわいそうでなりません。

 

そして、一昨日、その工務店が倒産したという話を聞きました。

久しぶりに憤りを感じます。

 

お客様がその工務店を選んでしまったという側面もありますが、

プロとして、あまりにも無茶苦茶です。

消費者保護のため、プロ側の果たすべきことが

急激に増えていき、対応が難しいところももちろんあります。

それでも真摯に向き合い、社会の要求に対応するのがプロであると考えます。

 

もしこれを読まれて、建てた会社が倒産して困っているという人があれば、

できるだけお力になりますので、ご相談ください。