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中古住宅の選択と注意点

家族が増え、マイホームに憧れて、住宅展示場に行くと、
その価格に驚き、夢やぶれてしまう方も多いかもしれません。

その場合、中古住宅という選択肢が生まれます。

日本の法定耐用年数は
木造 22年
軽量鉄骨プレハブ 27年
重量鉄骨 34年
鉄骨コンクリート 47年

となっており、木造住宅は20年で価値が0担っています。
これは買い手からすれば、土地価格だけで、
マイホームが手に入る訳ですので、願ったりかなったりです。
ですが、車同様中古はいろいろリスクも多いのは現実です。
その注意点を確認しましょう。

新耐震基準

建築基準法は1981年(昭和56年)に大きく改正されました。
大きな変更点は地震に対する耐力壁の考え方が変わっています。
中古住宅でも住宅ローン減税が使えますが、
それは新耐震基準を満たしていることが条件になります。
これは検査済書などにより、いつ完成したかの公的書類で証明することができます。
検査済書などを売り主が保管していないのも想定されますが、
管轄の区役所に行けば、検査記録の証明書を発行してくれます。
これは建築士ではなくても、誰でも取得可能です。

2000年基準

実は新耐震基準は2つあり、2000年にも改正されています。
あくまでも住宅ローン控除などの優遇を受けれるのは1981年の新耐震基準ですが、皆さんの当然の希望は地震が来ても家が壊れないことですよね。
そのためにはこの2000年基準を満たしていることが望ましいのは言うまでもありません。2000年基準は耐力壁の接合部金物の規定や、四分割法や偏心率などの規定が追加されています。

2000年といえば、最近だと思われるかもしれませんが、
19年前の建物になります。先に書いたとおり、建物の資産価値は大分さがっているため、お買い得とも言えるかもしれません。

 

劣化事象

住宅は車同様、定期的なメンテナンスをしないと劣化が進みます。
その一つが雨漏れになります。
この住宅はリフォーム時に天井を解体することにより、
雨漏れを発見することになりました。
素人である買い主が天井裏に登り、雨漏りの確認をすることは
現実的ではありません。
インスペクション(建物調査)を行うことを視野に購入判断をすることが望ましいです。

 

省エネ性能

アパートからマイホームへとの夢を抱くときは、手狭になったり、
子供の成長にともない、隣戸への気疲れもあるかと思います。

これは新築、中古住宅に限らない話ですが、アパートから戸建て住宅になると、確実に家は広くなります。
つまり、冷暖房する空間が広がることになります。
加えて、耐震性能同様に、省エネ性能も20年前と現在では大きく異なります。

断熱材は入っていますが、気密処理ができておらず、写真のように湿気でカビだらけになっています。私のブログでいつも例にあげていますが、断熱材は布団と同じく、乾燥した空気をどれだけ含んでいるかが性能の違いになります。
湿気った断熱材は性能は低下し、加えてカビによる健康被害になります。
広島のような温暖地では現在も断熱材の気密・防湿施工の重要性を理解せず、施工する新築住宅も少なくありませんが、中古住宅はすでにカビだらけの状態の家に家族で暮らすことになります。

中古住宅の魅力

いままで、中古住宅は危ないというような視点で書いてきましたが、
時折、「小気味良い中古住宅」に出会うときがあります。
建築主がこだわって、家をつくり、それを大切にして使ってきたのが
よく分かる住宅です。
もちろん、見た目だけではなく、前述したようなことも含め、トータルでそのコンディション、そして住んでから必要になるであろうメンテナンス費用を想定して、判断することが大事です。
ぜひ、「小気味良い中古住宅」を探してみてください。