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太陽光発電で使える補助金とその使いみちを解説!

2022年が始まりましたね。

今年は色々と変革の年となりそうです。

2021年のタスクフォースをきっかけに、

省エネ施策の議論が加速しました。

 

その一つが、

2030年に新築住宅の60%を

太陽光発電の義務化するというもの。

 

北海道や都心部など、

太陽光発電を設置しても、

発電が期待できない場所は除かれる

とのことなので、

実質、その他の新築住宅のほとんどが

義務化されるともいえます。

 

もちろん、反対派は数多く

実務者内にもいますので、

一筋縄ではいかないにしても、

現在2022年、今から8年間で

様々な議論が行われ、

その影響はあなたの家づくりにも

与えることは間違いありません。

 

2021年のコロナの影響による

ウッドショック、

半導体ショック、

鉄鋼ショック、

など、建設コストに影響を与える

状況が続きますが、

これに太陽光発電が義務化になると

金銭的な影響は増大していきます。

 

こうした新しい時代に変化すときに

出るのが

補助金です。

 

この補助金に精通している川端が、

2022年に使える補助金と

その有効な使いみちを解説します。

 

2022年に使える補助金(2021年1月3日現在)

 

2022年1月3日現時点で、

私が把握している

住宅に関する補助金は上記の通りです。

 

工務店の経済対策にもなっている

グリーン化事業の補助金はやはり大きいのが

目に付きますが、

 

新しく創設された

こどもみらい住宅支援事業は

 

なんと、太陽光発電を設置しなくても

補助金がもらえるようになっています。

 

工務店を選ばず使える補助金で、

かつ、太陽光発電を搭載しなくても

補助金がもらえるというのは

とても魅力的に見えますね。

 

これは太陽光発電の普及を前に、

まずは外皮性能の底上げ

をしたいという

国交省の思いが垣間見えます。

 

上記は国交省の書類です。

断熱等級5について言及されています。

今までは断熱等級は4が最高位でした。

これは平成28年基準ともいわれ、

本来であれば、2020年に義務化される予定でした。

 

義務化、つまり最低基準になる予定でしたが、

長期優良住宅や認定低炭素住宅の基準でもあり、

実務者の中では、

断熱の最高基準と勘違いしている

人も数多くいます。

 

平成28年は2016年、5年以上前の基準ですが、

それが最高位として、

君臨しつづけています。

 

ちなみに断熱性能の達成率は50%以下、

きちんと断熱性能を

計算できる実務者も50%程度と

言われています。

 

太陽光発電はいつか壊れる設備ですので、

まずは建物性能を向上させるのが優先という考えは

私も大賛成です。

 

壊れないものにまず投資をする

上記は私が常々言っていることですが、

賢い家づくりの鉄則は

「壊れないものにまず投資すること」

これが一番大事です。

 

断熱性能はエアコンや太陽光発電のような

設備のように寿命はありません。

 

適切に施工すれば、

その建築が壊されるまで、

経済的に快適な空間を維持してくれます。

 

まずは断熱性能をきちんと上げることが

パッシブデザインの次に大切なステップです。

 

でも、

「断熱性能をあげたら

初期コストが上がってしまい、

予算がオーバーしてしまう」

と思われている方も多くいらっしゃいます。

 

一般の方だけではなく、

「高性能住宅をすすめるのは

 儲けたいからだ!」

と根拠もなく言っている実務者も多いのも

現実です。

 

ちゃんと客観的に判断しましょう。

上記は40歳のご夫婦が2022年に家を建てた場合の

生涯資産の推移です。

 

左のグラフは総予算4000万円で、

光熱費25万円/年、

メンテナンス費が10万円毎年積み立てる場合です。

25万円は一般的な家庭の年間光熱費

サイディングの家は15年〜20年ごとに

外壁の工事をする前提ですので、

年間10万円の維持管理費です。

 

退職金をもらった65歳がピークで、

95歳で2750万円資産が減ります。

 

老後の資金が2000万円必要というのも、

現実味がありますね。

 

一方、右側は300万円工事費が増え、

光熱費、メンテナンス費が半分になった場合。

老後の資産の減り方が緩やかなのがわかります。

 

繰り返しますが、

工事費、光熱費、メンテナンス費以外の

条件は変えていません。

 

同じ教育費、生活レベル、旅行をする前提です。

 

高性能住宅をすすめる私たちが

儲かるのではなく、

高性能住宅を建てることが、

あなたの幸せにつながることを

忘れないでください。

 

正直、300万円もあれば、

G2ではG3の家が可能です。

 

先日、お客様にこう言われました。

 

「せっかく補助金をもらったので、

建物性能を上げます」

と言われて、G2からG3の性能に

設計変更しました。

 

2022年に設置されるという

断熱性能等級5はだいたいG1性能と言われています。

 

それ以降、

断熱等級6(G2性能)

断熱等級7(G3性能)

が設置されるという話です。

 

断熱等級7ができれば、

それは最高等級ですので、

おそらく、

断熱等級6を選ぶ方が

数多く増えます。

 

それは遠くない未来です。

断熱等級5(G1)の家を建てても、

10年後には時代遅れになる

可能性が高いです。

 

補助金を使う場合は、

太陽光発電設置の前に、

断熱性能を向上させるのに

その補助金を活用してください。

 

太陽光発電は設置すべきか??

・太陽光発電を設置しないでも

補助金がもらえる。

・補助金はまずは外皮性能向上に

使うべき

 

と説明すると、

 

「なんだ、太陽光発電はつけなくても

いいんだ!」

と思われているかもしれませんね。

 

私としては、

太陽光発電は住宅というよりも、

光熱費をどう考えるか

というのが大事という見解です。

 

先程と同じく、

太陽光発電を設置する場合と

しない場合の資産の推移です。

 

家を建てると同時に

太陽光発電を設置して、

150万円住宅ローンが増えた場合、

老後の資産は増えます。

もちろん、太陽光発電のメンテナンス費を

考慮しています。

 

太陽光発電は光熱費を先にに支払うか

どうかの判断です。

 

光熱費が12万円で太陽光発電の寿命の20年をかけると

240万円になります。

 

太陽光発電の初期コストが150万円の場合、

メンテナンス費も含めて、240万円以下であれば

損はしないということになります。

 

光熱費を抑え、温暖化に貢献ができるのが

太陽光発電のメリットです。

 

もちろん、どんどん住宅コストが上がれば、

そもそも銀行が貸してくれないかもしれないので、

こんなロジック以前の話になるかもしれません。

 

また、人生において

家以外にも大切な投資もあります。

そんな状況の方は

現時点では、まず建物本体にお金をかけて、

余裕がある場合は太陽光発電を設置してください。

 

時々、PPA(屋根貸し)のご相談もいただきますが、

初期コストがかからない、メンテナンス費無料などの

メリットがあっても、

事業者はそれでも儲かるようになっていますので、

あなたが受けるメリットは自分で設置するよりも

少なくなることは大前提です。

 

前述しましたが、

今、太陽光発電まで自分のお金で賄えない、

でも環境貢献をしたいという方は

PPAをぜひ採用してください。

 

まとめ まずは断熱性能を高めるべし。

上記は2021年に竣工した光が丘の家です。

木製サッシを使い、

付加断熱をして、

Ua値は0.28の性能です。

 

11月中旬まで暖房をつけなかったそうです。

高性能住宅の住まいは

冬を短くします。

 

太陽光発電をいくらたくさん搭載しても、

冬は短くなりません。

 

プレゼントデザインでは

年間設計する住宅の半分がG3を

お客様が選ばれています。

これからはこの傾向は強くなると思います。

 

どこまで性能を上げるべきかは

同じ都道府県でも

地域によって大きく異なります。

 

私が住む広島で言えば、

瀬戸内海に浮かぶ島々は

G2で十分だと思いますが、

 

郊外になれば、G3を推奨します。

 

どれくらい性能にすべきか

悩まれている方は、

下記ブログを読んでみてください。

費用対効果解説ブログ